「観光立国」を目指し、魅力ある町づくり、地域づくりに励んでいるところが日本にはたくさんある。その一端を紹介し、参考にしてほしいというのが本書の目的になっている。
観光での地域振興について、主に関西圏の銀行や教育の実態、都市観光の事例、世界遺産登録活動を紹介する。さらに「観光立国」という大テーマの視点から、地域の観光振興に果たす産・官・学・民それぞれの立場からの役割や取り組みについて、問題点や今後の課題にも触れる。
そして、観光による経済効果が国を支えることで「観光立国」が成り立つことを前提に、そのために何を行うことが必要かということに言及し、いくつかの提案も行っている。
著者の枡田氏は、日本交通公社(現JTB)入社後、同社など旅行会社に35年間勤務。その後、大阪観光大学教授、ノースアジア大学教授を歴任。現在、21世紀観光戦略研究所代表として、観光立国、ニューツーリズムと地域振興、団塊世代の新たなライフスタイルなどについて研究を続けている。
四六判、152ページ。1500円(税別)。問い合わせは静岡学術出版事業部TEL053(401)8226。