日本の観光に大打撃を与えた東日本大震災。震災後1年で、訪日外国人数は震災前の水準に戻ったが、東北だけはいまだに回復していない。
復興に観光は重要な役割を担っている。本書では、観光学の視点から「復興ツーリズム」についての提言を行っている。
総合観光学会は2001年10月、専門分野を超えた総合観光学の確立を目指し、観光地域の持続的な発展を支える役割を担うことを意図して設立された。震災の爪痕を目の前にして、会員以外にも呼びかけて本書が企画された。
本書の提言は、第一部「災害と観光」、第二部「震災から学ぶ」、第三部「震災を記憶する」、第四部「地域復興のツーリズム」、第五部「絆を求めて」で構成している。
編集代表者は、同学会会長で東京大学名誉教授、帝京平成大学教授の山下晋司氏。執筆は山下氏に加え、南三陸ホテル観洋女将の阿部憲子氏、立教大学観光学部教授の小沢健市氏、JR東海相談役の須田寛氏、日本旅行広報室長の矢嶋敏朗氏ら、学識経験者や学生、観光業界の一線で活躍する業界関係者ら34人が担当した。
四六判、280ページ。1995円(税込み)。問い合わせ先は、同文舘出版TEL03(3294)1801。