国土交通省中部運輸局は4日、観光庁の宿泊旅行統計調査を基に、官民を挙げて外国人旅行者の誘致に取り組む広域周遊エリア「昇龍道」を構成する中部北陸9県の宿泊動向などをまとめた。8月の外国人延べ宿泊者数は、前年同月に比べて約9割の増加となり、約6割増だった全国の伸び率を大きく上回った。
昇龍道を構成するのは、福井、岐阜、静岡、愛知、三重、石川、富山、長野、滋賀の9県。2012年3月に推進組織を立ち上げ、情報発信や受け入れ態勢の整備に取り組んでいる。
昇龍道9県の8月の外国人延べ宿泊者数は、前年同月比89.1%増の63万2千人泊となった。全国合計は同59.5%増の603万4千人泊。昇龍道9県は、伸び率で全国を上回ったほか、全国の外国人延べ宿泊者数の10.5%を占めた。宿泊者の国.地域別構成比は、中国が56%、台湾が12%などだった。
1〜8月累計の外国人延べ宿泊者数では、昇龍道9県で前年同期比76.1%増の509万人泊となり、8月末の時点で昨年1年間の実績(447万人泊)を超えた。1〜8月累計の全国合計は同52.4%増の4423万人泊。昇龍道9県は、伸び率で全国を上回り、全国に占める割合は11.5%に達した。
昇龍道は、今年6月、国土交通相が認定した外国人旅行者向けの広域観光周遊ルート7カ所のうちの一つ。観光庁などが整備に向けて支援策を打ち出している。