日本観光旅館連盟(佐久間進会長、3891会員)は1日、地球温暖化問題などを踏まえ、環境に配慮した宿づくりを進める会員旅館・ホテルを「地球に優しい宿」としてホームページ(HP)「日観連・やど日本」で紹介する試みを始めた。日観連や会員施設のイメージアップに役立てる。会員施設のさらに詳細な環境対策を調査中で、その結果をまとめた上で今後の活動に反映させていく。
やど日本は、全会員施設を掲載した宿泊予約などが可能なHP。地球に優しい宿として約700軒の施設を取り上げ、所在地と取り組み別に検索できるようにした。
環境への取り組みの項目は、環境管理の国際規格ISO14001の認証取得をはじめ、リサイクル材料を使ったはしや竹製はしの使用、生ゴミの肥料化、太陽光などの自家発電装置の利用などで分類。連泊時にシーツ交換を希望制にしている宿も紹介している。
日観連では全会員施設を対象にした、より詳細な取り組み状況の調査を実施中。これまでに回答があった主な取り組みには、食用廃油のリサイクル、川の水などを使った打ち水、はし持参者への特典の実施、地産地消へのこだわりや野菜の自家栽培、温泉の余熱や排湯の利用など。
調査結果を参考に、今年度に初めて設置した「地球に優しい宿推進委員会」(伏島晴彦委員長)で、今後の活動のあり方を検討する。先進的な取り組みの会員施設への普及、日観連統一の消費者への宣伝活動などの手法を研究する予定。
日観連本部では「環境に関心が高い消費者はもとより、モノより心の豊かさへの転換を通じ、新たな旅行者ニーズも捉えられるのではないか。会員施設の取り組みを推進し、宿のイメージアップにつなげていきたい」としている。