日観協とTIJが合体へ


 日本観光協会(西田厚聡会長、740会員)と日本ツーリズム産業団体連合会(TIJ、舩山龍二会長、183会員)の総会が相次いで開かれ、両団体の合体を盛り込んだ議案が了承された。今後は「合体準備協議会」(仮称)を設け、作業に着手することになる。両団体は生い立ちや目的、組織構成も異なるため、「日観連と国観連の合併よりも難しいのでは」との見方もあるが、実現すれば観光関係団体の再編へ向けた大きな一歩となることは間違いない。

 両団体は5月19日付で合体合意書を取り交わしている。合意書は、「観光地域づくりの推進等の活動に永年の実績がある日本観光協会と産業界の代表として提言活動等に実績のある日本ツーリズム産業団体連合会が合体し、機能強化を図ることによって、観光推進の中枢機関を形成する」としている。

 合体後の組織については、地方自治体、地域観光協会、ブロックの広域観光組織、観光関連民間企業やその業界団体、他産業も含めた幅広い連携を促進し「観光に関する内外の諸問題について、意見をとりまとめて提言し、その実現を図る」などを目的に掲げている。

 合体案の了承を受け、両団体は合同で準備協議会を設置する。ここで事業内容を含む業務運営方針並びに制度設計、新組織の名称などについて検討する。年内に方向性を示し、順調にいけば、来年の総会をめどに新組織が立ち上がる見通しだ。

 地域組織との関係については(1)会員である都道府県、市町村、地域観光協会との協働を強化し、より一体的な活動を進める(2)ブロックの広域観光組織とは地域の実情に応じ、対等な協力・連携関係を強化する(3)地域会員の活動をサポートするため、支部機能の強化を図る──とした。

 合体によりTIJは解散、法手続き上は日観協が存続法人となるが、組織の名称は新たに決めることになる。

 舩山会長は8日の総会で、「TIJは発展的に解消するが、新組織となって観光庁の強力なパートナーとして、観光立国推進の強力なエンジンとなる」と強調。また、10日の日観協総会後の情報交換会に出席した前原誠司国土交通相は、「両団体の合体は観光立国にとって画期的なこと」と評価した。

 両団体とも会員からの会費や、日観協の場合は都道府県の拠出金などをもとに運営しているが、厳しい経済情勢下で財源確保に苦労している。合体することでこの問題が軽減でき、「両団体の強みを生かした運営ができればそれに越したことはない」という期待感もある。とりわけ、重複する会員にとっては経費削減につながるわけで、概ね歓迎する。

 
新聞ご購読のお申し込み

注目のコンテンツ

第38回「にっぽんの温泉100選」発表!(2024年12月16日号発表)

  • 1位草津、2位道後、3位下呂

2024年度「5つ星の宿」発表!(2024年12月16日号発表)

  • 最新の「人気温泉旅館ホテル250選」「5つ星の宿」「5つ星の宿プラチナ」は?

第37回にっぽんの温泉100選「投票理由別ランキング ベスト100」(2024年1月1日号発表)

  • 「雰囲気」「見所・レジャー&体験」「泉質」「郷土料理・ご当地グルメ」の各カテゴリ別ランキング・ベスト100を発表!

2023 年度人気温泉旅館ホテル250選「投票理由別ランキング ベスト100」(2024年1月22日号発表)

  • 「料理」「接客」「温泉・浴場」「施設」「雰囲気」のベスト100軒