「訪日外国人受入促進研修会〜訪日中国人受入飛騨・高山セミナー」が9月29日、岐阜県高山市の高山グリーンホテル(新谷尚樹社長)で開催された=写真。主催は日本観光協会。共催は日本観光旅館連盟。協力は飛騨・高山観光コンベンション協会、飛騨高山旅館ホテル協同組合。旅館・ホテル、観光施設の従事者らが対象。
中国向けの各種PRを支援する風樹の李琳(りりん)代表が「中国人の海外旅行事情と中国マーケットに対するブランディング」と題し、講演。
李代表は「中国人旅行客は予備知識を身につけて旅行することはあまりなく、旅行会社の事前説明も旅行の行程が中心で、マナーなど細かいところまでなかなか届いていない」と指摘。例として、畳に土足で入ってしまったり、浴衣のままでロビーなどに行ってしまったりすることを挙げた。また、宿泊施設や観光施設の中で案内板を立てるなど細やかなインフォメーションが求められると説明した。
中国人向けのブランディングについては、高度な取り組みと思わず、宿泊施設レベルでも行えるとアドバイス。「どのようなことに中国人が関心をもち、どうすれば心をつかめるのかを考えるのが重要。特に、日本人向けに作ったパンフレットを奇麗な言葉で翻訳しても、中国人の関心は得られない」と述べた。
その上で、中国人向けのブランディングを実践するには、(1)ブランディング要素の抽出(2)差別化できる目標の設定(3)社内体制の整備(4)ターゲット層へのアプローチ(5)ターゲット層の体験、感想をキャッチする(6)目標の微調整、確立(7)目標周辺資源のPR──などに取り組むべきだとした。
また、心弦社代表の田中則明氏による中国語講座「観光中国語と田中式発音速習講座〜入門編」も開かれ、日本人のための独自の発音方法を使った授業が行われた。