日本観光振興協会は12日までに、一般消費者4千人を対象に実施した、初めてとなる「短期観光動向調査」の結果を発表した。それによると、2012年10〜12月期の宿泊旅行実績は前年同期比6.1ポイント減の34.5%、今年1〜3月期の宿泊旅行意向は同4.5ポイント減の41.9%となっている。同調査は四半期ごとに発表する予定で、次回は4月上旬を予定している。
同調査は一般消費者の旅行実績や旅行意欲などを把握するのが狙い。調査結果は地方自治体や観光関連業界、企業などにフィードバックし、観光戦略を立案する際の基礎資料として活用してもらう。
昨年9月から実施してきたが、12月調査で対前年同期との比較が可能になったため、発表に踏み切った。「今後の旅行意欲や実績を対前年同期の結果と比較検証することで、今後の旅行市場の動向を明らかにしていく」と協会の総合研究所。
インターネットによるアンケート調査形式。15歳以上の男女計4千人に対し、当該四半期の旅行意欲(12年12月調査ならば12年10〜12月の実績)や次の四半期の意向(12年12月調査ならば今年1〜3月の意向)などを聞いている。
調査結果によると、12年10〜12月期の宿泊旅行実績が6.1ポイント減となったことについて、「11年10〜12月期は東日本大震災による落ち込みからの回復が進んだが、今期はその反動減」と見る。男女、各年代ともポイントを下げているが、特に50代の低下(10.6ポイント減)が目立った。
今年1〜3月期の宿泊旅行意向率も昨年同時期から低下。男女、各年代ともポイントを下げているが、特に30代の低下が顕著という。宿泊旅行予定回数は平均0.56回、前年同期比で0.08回減少している。
旅行目的地(地域ブロック別)を見ると、中部、関西への旅行意欲が昨年度より低下し、それぞれ1.2ポイント、1ポイントの減少。東北に関しては0.7ポイントの減で「復興支援を意識したと思われる旅行意欲がやや一段落したものと考えられる」としている。
旅行予定の同伴者は、昨年度は家族旅行が35.4%で最も多く、カップル.夫婦(27.9%)、友人.知人(13.4%)、1人(18.8%)を上回った。しかし、今年1〜3月期では家族旅行が33.9%と若干低下。その他はいずれも増加傾向を示している。