日本温泉協会(大山正雄会長、1282会員)は6月20日、青森・酸ヶ湯温泉の八甲田ホテルで「2017年度会員総会」を開き、16年度事業報告、決算報告、17年度事業計画・予算を審議、いずれも原案通り承認。役員の欠員に伴った役員の選任、一部定款の変更などを決定した。
総会には約140人が出席。青森での開催は初めて。冒頭あいさつした大山会長は、「昨年2400万人の訪日外国人観光客が訪れ、3兆7千億円の消費(収入)があり、観光産業は日本の基幹産業となった。日本の観光の要は何かといえば、日本の『温泉文化』にある」と指摘。
その上で、(1)無秩序な地熱発電の反対(2)入湯税は温泉保護のために(3)日本の温泉文化を活かした地域の活性化と地域創生の推進(4)地域開発から国立・国定公園の自然環境の保護―など、四つのスローガンを挙げ、「温泉資源の保護と涵養が重要だ。日本の温泉文化の振興を図り、リピーターや長期滞在客を増やそう」と呼びかけた。
総会には小野寺晃彦・青森市長、環境省の吉田勉・温泉制度管理技術研究官、飛田章・東北運輸局観光部長らが出席。情報交換会では、青森観光コンベンション協会の奈良秀則会長が歓迎のあいさつを述べた。
この日は、天然温泉審査委員会から、表示看板の発行のあり方について説明が行われた。温泉の湧出量の変化、施設側の対応などで変動することから、結論には至ってないものの「日本温泉協会登録・天然温泉」の案で検討中であることを明かした。また、地熱対策特別委員会からは「温泉熱の乱開発が続けば、古来より根付いた日本の大衆文化の衰退につながるので注視が必要だ」との意見発表があった。
18年度の総会は鳥取県の皆生温泉で開催する。