観光庁はこのほど、旅行・観光消費動向調査の2015年10〜12月期の結果(速報値)を発表した。日本人の国内旅行消費額は、5兆3343億円で14年同期に比べて8.9%増加した。14年は消費増税の影響で旅行消費が低迷したことから反動増があると見られる。13年同期と比べると0.4%減でほぼ平年並みだった。ただ、宿泊旅行の1人1回当たりの消費額を示す旅行単価は5万2千円を超え、過去5年の全四半期を通じて最高となった。
観光庁は10〜12月期の旅行消費額のプラス要因について、消費増税の反動増のほか、北陸新幹線の開業効果の継続、宿泊施設の稼働率向上に伴う料金単価の上昇などを挙げた。旅行単価の上昇要因は、十分に分析できていないという。
消費額の内訳は、宿泊旅行が14年同期比9.8%増の4兆1276億円、日帰り旅行が同5.7%増の1兆2068億円だった。宿泊旅行を月別に見ると、10月が14年同月比15.6%増の1兆3184億円と2桁の伸びだったほか、11月が同5.1%増の1兆4041億円、12月が同9.7%増の1兆4050億円だった。
延べ旅行者数は、14年同期比1.8%減の1億5299万人で、過去5年の同じ時期としては最低だった。このうち宿泊旅行は同1.0%増の7819万人だが、過去5年同時期と比較して4番目の実績。日帰り旅行は同4.6%減の7480万人で過去5年同時期と比較して最低だった。
国内旅行全体の旅行単価は、14年同期比10.9%増の3万4868円だった。宿泊旅行の単価が同8.7%増の5万2792円に上昇し、過去5年の全四半期で最高となった。日帰り旅行は同10.8%増の1万6133円だった。