日本ホテルスクールは、産学連携授業「卒業式袴展示会」を実施した。
卒業式袴展示会という実践的な授業の実施を通して、有効顧客の把握、売上目標の設定、集客方法、展示会説明、接客・成約というマネジメントの視点を学ぶことを目的としています。また、これまでのマネジメント系授業で学んだ理論を実践することにより理解の定着を図るとともに、各科目を「点」ではなく「線」で結び、それぞれの授業科目の連携を強化し、教育効果を高め合うために計画しました。もちろん、チームごとに展示会を運営するため、チームとしての協力や強調を体感し必要性を肌で感じてもらうことも目的としています。展示会実施にあたり、2年生進級後の4月から7月にかけて学生たちは連携2社の衣裳会社のいずれかに振り分けられ、売り上げ目標の設定から集客方法などの戦略会議、そして着付け練習などを行い展示会に向けて準備を進めました。
展示会開催の前日は、衣裳の搬入、企業の方と一緒に会場の設営を行い、袴、小物、鏡、契約用の机などを準備し、開催期間中の導線を確認しました。また、着付けの最終確認を行い、来場予測数や来場時間帯の見込み、売上げ目標を確認しました。展示会開催中に運営するブライダル科の学生は、卒業式に着る最高の袴を選ぶ学生に対し、学生の気持ちに寄り添った接客を心がけました。また、協力いただいた企業のスタッフの方から実際の現場(ショップ)の様子、接客のコツなどのアドバイスもあり、現場で活躍する方と一緒に運営する実践的な授業であったことで学生にも大きな刺激になったようです。展示会終了後は、フィードバック会を設定し、協力いただいた企業の方を交えて、売上げの結果発表、各賞の発表を行い、展示会を振り返りました。
今回の展示会を開催するにあたり、事前授業において昨年同様にハクビ京都きもの学院から先生にお越しいただき、実際に袴を使って、試着、着付けを勉強し、お客さまに似合う着物や袴の色味の提案の方法や接客の仕方などを学びました。また、株式会社マイム様、株式会社曽我様、2社の協力のもと、校内で事前ミーティングを実施し、それぞれの企業の商品、袴のセットプラン内容について説明いただくとともに、袴の着付け方からアドバイスの仕方など第一線で活躍される方から接客方法なども学びました。
本校の昼間部国際ホテル学科は、平成26年度より開始した職業実践専門課程において、平成26年3月31日付にて、文部科学大臣から認定を受けています。職業実践専門課程は、企業などとの密接な連携により、最新の実務の知識などを身に付けられるよう教育内容を編成し、より実践的な職業教育の質の確保に取り組んでいる課程を文部科学大臣が認定する新しい取り組みです。この「卒業式袴展示会」は授業を机上だけの学習に留めず、実際に学生自身が運営を行い、これまで学んできたそれぞれの科目が連動し、理論と実技が結びつく学びであり、企業と教育機関が連携した「産学連携」の実例で、その代表的な取り組みと言えます。