トイレをテーマにした空間づくりなどの優れた取り組みをたたえる「日本トイレ大賞」の表彰式がこのほど、東京・六本木の国立新美術館であった。群馬県草津町など28件が受賞し、有村治子女性活躍担当相から表彰状を受け取った。
同賞は暮らしやすい社会づくりを目的に、生活に欠かせないトイレを通じたさまざまな活動を表彰するもの。今年創設され、全国から378件の応募があった。選考会での審査を経て、女性活躍担当大臣・男女共同参画担当大臣賞、文部科学大臣賞、国土交通大臣賞など28件が選ばれた。
草津町の「湯路広場」は国土交通大臣賞に選ばれた。草津温泉のシンボル「湯畑」に昨年7月オープン。棚田風の石段広場を囲む木製回廊と一体となる形で設けられ、高い天井で開放感、間接照明で高級感を出している。芳香剤などは使わず、こまめに清掃することで維持管理に努めていることなどが評価された。
このほか、羽田空港の国際線旅客ターミナルビル、新潟県見附市の道の駅パティオにいがたなどが同賞を受賞。
また、地方創生担当大臣賞には、群馬県の「ぐんまビジタートイレ認証制度」、高知県の「おもてなしトイレ認定事業」など3件が選ばれた。おもてなしトイレ事業は、清潔なおもてなしの心が感じられるトイレで観光客を迎える取り組みで、14年度末時点で県内694件が認定されている。
黒岩信忠・草津町長の話 湯路広場のトイレは町の百年先を見据え、5年をかけて行ってきた湯畑再開発事業の中の独創的建物の一つで、私の思い入れも強いものがある。それが高く評価され、本当に名誉であり、大変うれしい。今後も広場のシンボリックな存在として、お客さまの注目を集めていくことを期待したい。
有村女性活躍担当相(右)から表彰される草津町の黒岩町長