日本の宿を守る会が創立25周年で記念式典


日本旅館のあり方について熱い議論がなされた

日本旅館のあり方について熱い議論がなされた

 日本の宿を守る会(会長=久保富雄・群馬県谷川温泉旅館たにがわ・別邸仙寿庵、66会員)は24日、静岡県熱海市のホテルニューさがみやで、創立25周年の記念式典を開いた。同会のファン約50人を含む、関係者など約100人が出席。作曲家の神津善行氏による基調講演やパネルディスカッション、出席したファンへのプレゼント抽選会などが行われた。

 式典では初めに久保会長があいさつし、「25周年を迎えられたのは、会のファンのお客さまや関係者のご支援と、会員同士の連携のたまもの。今後も日本情緒の保持に尽力したい」と感謝の意を表した。

 続いて予定されていた三笠宮寛仁親王による講演「日本人はどうあるべきか」は殿下のご病気により急遽、殿下と親交の深い作曲家の神津善行氏が行った。神津氏は伝統文化の保持について音楽と絡めながら話し、「人も考え方も急速に変わる時代。古き良きものを守るにはしがらみに入り込まず、心を広く持って時には変化を受け入れることも重要」と話した。また「人の上に立つことは諭すこと」とも話し、「諭す時には低い声で、最後に高い声で押さえるのが効果的」と音楽家らしいアドバイスも行った。

 パネルディスカッション「日本文化の再発見」では、外務省関西担当大使の天江喜七郎氏、在大阪・神戸米国総領事のダニエル・R・ラッセル氏、山形県銀山温泉・藤屋女将の藤ジニー氏、久保会長をパネリストに、日本人や日本文化の良さ、日本の宿に期待することについて議論された。中でも外国人客への対応については、天江氏から海外のホテルチェーンとの提携による日本旅館の知名度向上、藤氏から絵記号中心で色分けされた案内表示の採用、ラッセル氏から外国人客向け「日本旅館でのマナーガイド」を漫画で作成する案などが提案され、参加者は普段聞けない貴重な意見に、熱心に耳を傾けていた。

日本旅館のあり方について熱い議論がなされた
 
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