厚生労働省は16日までに、2014年度の旅館・ホテルの営業施設数と客室数をまとめた。それによると、今年3月末現在の旅館軒数は前年度比1464軒減の4万1899軒となり、依然として減少傾向に歯止めがかからない状況が明らかになった。ホテルは同70軒増の9879軒で、1万軒に迫る勢いをみせている。
旅館・ホテル、簡易宿泊所、下宿を含めた「旅館業」の14年度の営業施設数をみると、同621軒減の7万8898軒となった。旅館の減少が特に目立つ。
旅館4万1899軒の総客室数は同2万5252室減の71万19室、ホテル9879軒の総客室数は同7377室増の83万4588室。ホテルの客室数は09年度に初めて旅館を上回ったが、その差はわずか6177室だった。しかし、14年度では12万4569室まで広がっている。
都道府県別にみると、旅館軒数は軒並み減っている。減少幅が最も大きいのは静岡県で、1年間で111軒減った。茨城県(97軒減)、北海道(91軒減)、長野県・和歌山県(61軒減)なども目立つ。
軒数そのものが多いのも静岡県で、なお2857軒が営業している。これに長野県(2426軒)、北海道(2391軒)、新潟県(2002軒)が続き、2千軒台を維持している都道府県はわずかこの4道県にすぎない。最も少ないのは香川県の299軒。
客室数では北海道が4万5691室と最も多く、以下、東京都(4万5204室)、静岡県(4万3155室)、長野県(3万8974室)と続く。ただ、軒数減ながらも東京都や奈良県、愛媛県、大分県などは客室数が増えている。
一方、ホテルで軒数が減ったのは8都府県あった。東京都は5軒減ったが、客室数が765室増え、計675軒・9万8644室となっている。このほか、軒数が多いのは北海道(689軒)、長野県(520軒)、兵庫県(421軒)など。最も少ないのは35軒の徳島県。