和歌山県田辺市本宮町で、難聴者向けに手話語り部をしている小渕静子さんは本宮町にある湯の峯温泉でこのほど湯治用の客室も備えた民宿「わだま」を始めた。
湯の峯温泉は、本宮参拝者の湯垢離場として知られるいで湯。皮膚病、胃腸病、リウマチに効くと言われ湯治として利用する人が多い。
小渕さんは手話語り部の活動の傍ら、難聴者も安心して宿泊できる民宿の女将もしている。部屋数全4室中、長期滞在が可能な部屋を1室設け、湯治用として利用されている。3月11日から1カ月間40代の男性が湯治のため長期滞在する予定だという。
小渕さんは、所属している「本宮町語り部の会」のメンバーと2人で5年前、手話ガイド活動を始めた。手話を始めるきっかけとなったのは、地元の行事に来ていた難聴者と手話通訳者が手話で会話をしている様子を見たことだった。手話を覚えて役立ちたいという思いが手話語り部活動に結びついた。
小渕さんは、「現在、手話語り部が2人しかいないので育成に力を入れたい。そして、家庭的な温もりで多くの参詣客を『わだま』で迎えたい」と意気込みを語った。
手話語り部、民宿わだまについての問い合わせ先は、和歌山県観光交流課(TEL073・441・2785)。
小渕さん