エイチ・アイ・エス(HIS)は、昨年12月にタイ・バンコクに設立した国際チャーター便専門会社「アジア・アトランティック・エアラインズ(AAA)」の概要を発表した。7月から成田・関西—バンコクを各1日1往復運航し、限定数を片道1万円で販売開始した。
チャーター便とは、不定期運航の臨時便。夏休みなど座席の供給が足りない時期や定期便の運航がない地域に、旅行会社の依頼により飛ばすもの。レガシーキャリアのように、年間を通して定期便を運航しないため、オフシーズンに下げた運賃を繁忙期に上乗せすることなく、安定した価格で座席を提供することができる。
またタイは10月、中国は2月と長期休暇が国によって異なるため、ニーズに合わせ、場所や時期をかえて運航を行うことで閑散期のリスクを回避することができる。
AAAは日本では初の国際チャーター便専門会社となる。「欧米ではすでに普及している」とAAAのハック・アザドゥル社長。今後タイを中心に中国、韓国、ロシア、インドネシアなどに就航する予定。将来的にはハワイ、グアム、欧米にも状況を見ながら飛ばしていきたとする。当面はボーイング767、2機からスタートし、5年後には20機に増やす計画だ。
AAAの国籍はタイで、出資比率はHISグループが88%、タイで「バイヨークスカイホテル」などを経営する、パンラート・バイヨーク氏が残りを出資。HISは就航を記念し、同ホテルのスイートルームに宿泊し、ビジネクラスを利用できる4日間のプランを4万9800円で限定販売した。
7月19日から9月29日は成田—バンコク、7月27日から9月27日は関西—バンコクで1日1往復HISの契約で運航し、10月以降は韓国、中国など旅行会社と契約し運航を行う予定。
12日に行われた概要発表会では、AAAのロゴマークやフライトアテンダントの制服が発表された。特別ゲストには東進ハイスクールの林修さんが出席。黒板を使った授業スタイルでHISのプランを説明した。
前列左から、平林朗HIS社長、林修さん、ハック・アザドゥルAAA社長