日中観光交流年の閉幕式が3月16日、中国・広州市であり、式典や記念歌舞演劇祭が開催された。日本からは冬柴鐵三国土交通・観光立国担当相をはじめ観光関係者約250人、中国側は邵琪偉国家旅游局長をはじめ政府関係者などが出席、双方で約800人が参加した。06年の日中相互交流人口は前年比13%増の456万人、両国政府はこの実績を交流年の成果として強調。07年の日中国交正常化35周年、日中文化・スポーツ交流年をふまえ、交流人口500万人の達成に向けてさらなる取り組み、連携強化を確認した。
日本側の参加者は、冬柴大臣のほか、吉田雅治・在広州日本国総領事、洞駿・国交省顧問、柴田耕介・国交省総合観光政策審議官、中村稔・国際観光振興機構理事長、梅田春実・日本旅行業協会理事長、山本芳孝・全国旅行業協会会長代行のほか、旅行会社や航空会社のトップなど。
歓迎式典は広州市内のホテルで開かれた。挨拶で邵局長は「昨年は、相互訪問や政府間の協力態勢、中日韓観光担当大臣会合などを実現し、中日観光交流を推進することができた。さらに重要なのは、これを起点に中日国交正常化35周年の今年に新たな交流のページを開くことにある。計画されているさまざまな交流イベントを協力して進め、ともに観光業を発展させよう」と語った。
冬柴大臣は「今回は閉幕式というより、国交正常化35周年という佳節の開幕を記念した行事。日中の関係者が一堂に会したことをうれしく思う。日本は今秋、2万人規模の訪中団を計画している。交流人口500万人の実現は十分に可能だ。関係者の協力をお願いしたい」と述べた。
07年の日中交流人口を500万人以上とする目標は、昨年11月の日中首脳会談で合意したもの。昨年、中国からの訪日客は、前年比約24%増の81万人と過去最高を記録。国交正常化35周年の今年は、大規模な相互交流事業が計画されている。
また、閉幕式では、中国の観光業に貢献が大きかったとして中国観光金賞がJTBグループに贈られ、邵局長からJTBの佐々木隆社長にメダルなどが手渡された。
同夜には、観光交流年閉幕を記念した歌舞演劇祭が、広州市内の中山紀念堂で開かれた。歌や踊り、雑技などが披露され、地元客を含めて約3千人の観衆を集めた。
杯をかかげる冬柴国交相(右から4人目)