幕末、維新をテーマとした広域観光プロジェクトに取り組んでいる「平成の薩長土肥連合」は8月29日、東京都港区の明治記念館で情報発信会を開き、認知度の向上と集客増を目指し、全日本空輸(ANA)とタイアップすることを明らかにした。また、今年「日本人初の新婚旅行」から150年を迎えるのに合わせ、連合を構成する4県知事がそれぞれの観光素材をPRした。
平成の薩長土肥連合は鹿児島県(薩摩)、山口県(長州)、高知県(土佐)、佐賀県(肥前)および4県の観光連盟・観光コンベンション協会により昨年8月に発足。2018年の明治維新150年を見据え、4県が力を合わせて観光振興に取り組んでいる。
ANAからは志岐隆史常務執行役員が出席し、プロモーションの概要を説明。16年度については機内誌「翼の王国」での4県の観光スポットなどの紹介や、羽田空港第2ターミナル搭乗ゲート近くの待合ロビーにある「Future Vision」を使った各県のCM放映などを行う。
17年度には薩長土肥にちなむ名称を付ける航空券を発売する。志岐役員は具体的な内容は伏せたが、「びっくりするような運賃を開発する」と自信を見せた。4県を巡る格安の航空券になりそうだ。このほか、外国人向けウェブサイト「ANA EXPERIENCE JAPAN」を通し4県の魅力も発信する。
この日、4県の知事は西郷隆盛など県を代表する偉人に扮し登場。連合発足2年目の今年は、寺田屋事件で負傷した龍馬が妻のお龍を連れ鹿児島に療養の旅に出た「日本初の新婚旅行」から150年となるため、4県知事がそれに合わせた観光プレゼンを行った。
鹿児島の三反園訓知事は龍馬とお龍が訪れ、逗留した霧島の美しさや塩浸温泉をアピール、なかでもたまて箱温泉は「ぜひ来てほしい場所」と熱心に勧めた。
山口の村岡嗣政知事は全県で展開している観光キャンペーン「やまぐち幕末ISHIN祭」を取り上げ、「大人の女性を意識した観光素材の磨き上げをやっている」ことや、来年9月からの「やまぐちデスティネーションキャンペーン」の決定を報告した。
高知の尾﨑正直知事は来年3月4日開幕する「幕末維新博」をPR、「(幕末関連の)本物の歴史資料が見ることができる」と自信を見せた。
一方、佐賀の山口祥義知事は日本で初めて万博(パリ)に出たことや、県産食材を使った朝食のの魅力を伝える「あさご藩」プロジェクトなどを紹介した。