岩手県の三陸沿岸地域への観光客誘致を目指す商談会が7月20日、東京都渋谷区のレストランで開かれた。陸中海岸魚彩王国実行委員会(澤田克司会長、事務局・宮古観光文化交流協会)、三陸復興国立公園協会に参加する観光事業者や自治体が、旅行会社や旅行メディアに観光資源やイベントなどを紹介し、商品造成を促した。
主催は、岩手県、陸中海岸魚彩王国実行委員会、三陸復興国立公園協会。旅館・ホテル、鉄道会社、バス会社、観光施設、自治体、観光協会などが、旅行会社、旅行メディアの担当者と個別の商談を行った。
誘致団の団長を務める県沿岸広域振興局の小向正悟局長は「震災からの復興は一歩一歩進んでいるが、先を見据えたより良い復興の鍵を握るのは観光だ。復興道路、復興支援道路の整備が進み、来年には宮古―室蘭フェリーの航路開設、再来年にはラグビーワールドカップ、三陸防災復興博覧会(仮称)が予定される。旅行会社、メディアの皆さまには、さらに三陸をお取り上げいただきたい」とあいさつした。
2018年には、宮古と北海道・室蘭を結ぶフェリー航路が開設される。陸中海岸魚彩王国実行委員会などのメンバーは昨年11月、室蘭市を訪問し、相互の観光振興や交流の拡大で関係者と意見交換した。
19年のラグビーワールドカップ日本大会では、試合会場の一つが釜石市。また、19年春には県が三陸防災復興博覧会の開催を計画。19年3月末の復旧を目指すJR山田線・宮古―釜石間が、復旧後に三陸鉄道に運営移管され、南北リアス線が一本につながるのに合わせて開催する観光振興、地域活性化に向けたイベント。詳細は今後具体化される。
誘致団の副団長を務める陸中海岸魚彩王国実行委員会の澤田会長は「昨年の夏は、震災からの復興が進んできたところに台風10号で大きな被害を受けた。観光が上向くように事業者や自治体の連携を強化して、誘客に努めていきたい」と話していた。
同実行委員会では6月25日、昨年の台風で被害を受け、今年3月に営業を再開した龍泉洞(岩泉町)で「復活祭」と題したイベントも開催した。