国土交通省は、来年度の観光庁予算の概算要求に、観光地づくりの現状や課題を全国統一の基準で評価する手法を整備するための調査費を盛り込んだ。例えば、景観や観光施設に対する旅行者の満足度を評価する仕組みを構築し、観光地づくりに携わる関係者の指標にしてもらう。国交省では、「観光地満足度センサス」といった名称を想定し、検討を進めたい考えだ。
概算要求に掲げた事業名は「観光地の魅力向上に向けた評価手法調査」で、予算1千万円を要求した。観光地づくりの状況を明確にするための評価手法を研究し、他の地域とも比較可能な基礎情報として整備する。国内外の旅行者の満足度を向上させられる魅力ある観光地づくりに活用してもらう。
有識者をメンバーとする検討委員会を立ち上げ、評価手法や具体的な評価項目を検討、国内外での類似事例などについても研究する。サンプル調査なども実施して、評価手法を確立できれば、次年度から観光地満足度センサスとして全国の観光地づくりの評価を行う。
国交省はこれまでも魅力ある観光地づくりを促進しようと、先進的な地域の事例などを紹介してきたが、地域の選定には統一的な評価手法があるわけではなかった。滞在型観光に成果を上げている地域、外国人旅行者でにぎわう地域などを紹介した「地域いきいき観光まちづくり2008」などでも同様だった。
国交省観光地域振興課では「観光地づくりの評価には、観光案内所の設置数、道路の無電柱化率など客観的な数値で捉える手法もあると思うが、イメージとしては、旅行者の満足度を何らかの切り口で捉える評価手法を中心に検討していきたい」としている。