北海道運輸局は観光地のペットボトルごみの削減に向け、11月末から阿寒湖温泉地区(釧路市)でマイボトルの利用を促進する実証事業を始めた。道内初の試みで、地元の観光団体などと連携して実施。同地区を訪れた旅行客らがマイボトルに給水できるスポットを設けて表示し、My―Mizu(マイミズ)アプリなどを通じて周知。環境に配慮した持続可能な観光地づくりにつなげる。
給水スポットは「阿寒湖まりむ館」やアイヌシアター「イコロ」などの3カ所で、阿寒山系のおいしい水道水として釧路市内の観光施設などでも販売している「くしろ阿寒百年水」を供給。旅行者らは持参のマイボトルや有料販売しているボトルに自由に無料で給水できる。有料販売しているボトルは、地元に生息するシマフクロウやオオワシが描かれたオリジナルデザインの魔法瓶で、売り上げの一部は猛禽類の保護に寄付される。
実証事業の期間は3月末まで。4月から地元の観光関係者らが事業を継続し、5月から給水スポットを7カ所に増やして展開する。
同地区を訪れる旅行客数は、2018年度が約160万人で、近年、海外からの旅行客も増加傾向にある。運輸局では、「地元の観光関係者と持続可能な観光地づくりに向けた国際認証制度の検討を行ってきた中での実践の第一歩」と話しており、2月には、その検証と今後への理解を深めるシンポジウムを開催する。
同地区の阿寒観光協会まちづくり推進機構の山下健一専務理事も、「課題も多いが、世界的な観光地を目指す重要な取り組み。地域一体となってしっかり進めていきたい」と意欲的だ。