全国旅館ホテル生活衛生同業組合連合会(全旅連)のシルバースター部会(多田計介部会長=石川県・ゆけむりの宿美湾荘)は6月29日、東京の砂防会館で総代会を開いた。2016年度事業計画では、シルバースター登録施設の拡大を最重点課題とし、施設数の早期の800軒台回復を目指す。登録施設を紹介するガイドブックの改訂版も発行する。
同部会は、高齢者など誰もが安心して利用できるハードとソフトを備えた宿の登録制度「シルバースター登録制度」の推進組織。一定の要件を備え、登録申請をした施設を審査により登録している。
現在の登録施設数は799軒。ピーク時に1千軒を超えたが、施設の廃業などで漸減傾向にある。
多田部会長は「われわれの社会的使命は大きい。皆さまとともに難局を突破して、明るい未来を切り開きたい。次の登録審査会が8月に行われる予定だ。その時までに、各都道府県から最低1軒の宿をご推薦いただきたい」と、集まった47都道府県の登録施設代表に訴えた。
今年度は登録施設を紹介するガイドブックの改訂版も発行する。昨年は2014年に作成したガイドブックのダイジェスト版を発行。フリーペーパーとして配布した。今年度はその改訂版として登録施設の一覧に加え、旅行者が興味を持つ各地の食をテーマにした読み物を掲載する予定だ。
事業はこのほか、楽天トラベルが開設するシルバースター登録施設のページ「人に優しい宿」を通じた集客、敬老の日に合わせたPRキャンペーン、温浴関係の展示会「スパ&ウェルネスジャパン」(9月12〜14日、東京ビッグサイト)への出展など。
全旅連の北原茂樹会長は「長寿社会を迎え、高齢者に優しいシルバースターの宿に注目が集まっている。1軒でも多く登録してもらうよう、本部としても宣伝に力を入れていきたい」と述べた。
来賓から、厚生労働省生活衛生課の城間勇治課長補佐があいさつ。議事終了後に研修会として、前国土交通省関東運輸局長の濱勝俊氏が「広域観光と地域創生」をテーマに講演した。