全国旅館ホテル生活衛生同業組合連合会(全旅連、佐藤信幸会長)は11月19日、東京の海運クラブで全国47都道府県旅館ホテル組合の事務担当者研修会を開いた。「旅館・ホテルにおける接遇業務の知識・技能の向上」をテーマに、もてなしの基本と聴覚障害者への対応を専門家の講義で学んだ。
「基本編」として、有限会社フェイスアップ代表取締役の飯野智子氏が講演。旅館・ホテルの実務経験が長く、現在も北海道函館市のホテルで総支配人を務める同氏は、もてなしの概念や、旅館・ホテルが目指すべきもてなしについて解説。「サービスとは一対多数、いつでもどこでも誰に対しても行うもの。ホスピタリティとは一対一の関係性のマネジメント。人気のある旅館・ホテルは、その両方に優れている。今後、旅館・ホテルが生き延びるには、顧客との一対一の関係を大切にし、顧客との信頼関係を築くことが大事だ」と説いた。
また「聴覚障害者対応編」として、東京都杉並区聴覚障害者協会の鈴木道夫会長が手話を交えて講義した。鈴木氏は、聴覚障害にはさまざまなケースがあると指摘した上で「障害者が皆、手話を理解しているわけではない。一番安心できるのは筆談だ。旅館・ホテルにあれば嬉しいのは小さなホワイトボード、メモ代わりの付箋など」と解説。
さらに「我々は旅館・ホテルで料理の説明を受けたことがない。説明書きを見せていただけるとありがたい」と障害者に向けた旅館・ホテルのサービスの姿勢をただした。
手話を交えた講義