全国高校観光選手権大会、グランプリは京都の桂高校


桂高校のプレゼンテーション

 全国の高校生が自ら作った体験型観光プログラムを競い合うコンテスト「全国高等学校観光選手権大会」の決勝大会が8月25日、神戸市のハーバーホールで開かれた。予選を通過した8校が自分たちの観光プログラムをさまざまな演出で発表、グランプリである観光庁長官賞には京都府立桂高校が輝いた。

 同大会は、09年から昨年まで実施されていた「観光甲子園」「全国高校生観光プランコンテスト」を引き継ぐものとして今年新たに開催した。主催は観光関係者で作る同大会組織委員会(大会組織委員長=山本賢治・神戸山手学園理事長、神戸山手大学長)。観光庁はじめ日本旅行業協会(JATA)、全国旅行業協会(ANTA)、観光経済新聞社などの観光関連の産官学が後援した。

 「地域発の体験型観光プログラム」というテーマに対し、全国62校から113点の応募があり、書類による予選審査で選ばれた8校が決勝大会に進出。12分間のプレゼンテーションを行い、プランの内容をアピールした。

 観光庁長官賞に輝いた桂高校のプラン「ほんまもんの和食素材を世界へ発信!伝統野菜がつなぐ今日の歴史と食文化の再発見」は、京都に伝わる伝統野菜「京野菜」をテーマとした観光プラン。

 日本ならではの体験を求める外国人客をターゲットに、「鹿ケ谷かぼちゃ」「聖護院大根」などについて野菜の名前に冠された土地をめぐりながらその歴史や寺社との関わりなどを学ぶほか、京野菜を使った精進料理の調理体験などを行う内容だ。

 専用サイトによる復習プログラムやリピーター獲得のための情報提供の仕組みも用意。専門学科で積み重ねた研究内容や地元企業との連携などを生かして、京野菜を知るための一貫性のあるさまざまなコンテンツを用意していることや、シーズナリティがないことなどが評価された。

 第2部の小野田金司・神戸山手大教授(同大会実行委員長)をコーディネーターとしたパネルディスカッションでは、審査員を務めた丁野朗・日本観光振興協会総合調査研究所長、福井善朗・山陰インバウンド推進機構代表理事、中村好明・ジャパンインバウンドソリューションズ社長、村山慶輔・やまとごころ代表が登壇。

 高校生の発表について、プレゼンテーションの水準の高さや着眼点の良さなどを評価しつつ、より良いプラン作りに向けて「ヒアリングなどをしっかり行って、消費者目線、外国人目線を担保すればさらにいいプランにつながる」「インバウンドは地元を売り込むのではなく、地域の外の人をどう呼び込むか。自分の町だけでなく、隣の県など広いエリア設定が必要だ」—などのアドバイスが出された。

 グランプリ以外の結果は次の通り。

 金賞=青森県立名久井農業高校▽銀賞=福井県立奥越明成高校、岐阜県立大垣養老高校、名古屋経済大学高蔵高校▽銅賞=山形県立村山産業高校、長野女子高校、兵庫県立生野高校。

 
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