日本観光協会(中村徹会長)は17日、第17回「優秀観光地づくり賞」の金賞(国土交通大臣賞)に京都府の宇治市観光協会を選んだと発表した。表彰式は5月28日、千葉市の幕張メッセで開かれる「旅フェア2010」のオープニングセレモニーで行われる。
世界遺産の平等院・宇治上神社、宇治茶といった魅力的な観光資源を持つ宇治市は、90年から紫式部文学賞・紫式部市民文化賞の制定、宇治十帖スタンプラリーの開催、源氏物語散策道の整備や案内道標看板の設置など「源氏物語」をテーマにしたまちづくりに取り組んできた。
96年には「宇治観光ボランティアガイド」による源氏物語専門ガイドも開始した。現在、約70人が登録している。06年からは京都文教大の学生と連携した修学旅行生向けの学生ガイド「まな旅」も行っており、旅行代理店を通じて、年間約500人の受け入れ実績があるという。
宇治茶については市営茶屋「対鳳庵」で本格的なお点前が体験できる場を提供。外国人観光客にも人気で、08年度では約6千人の利用があった。
市では「02年から10年後(12年)に、年間400万人の観光客を500万人にする」という計画を立てていたが、こうしたさまざまな取り組みが奏功、「08年に目標を達成したことなどが高く評価された」と日観協。
市は今後、宇治の文化的景観の保全・活用、茶文化のさらなる発展、外国人客の誘致を目指しており、日観協は「将来に期待が持てる」としている。
宇治を代表する観光名所・平等院