全国修学旅行研究協会(全修協、中西朗理事長)は19日、東京の九段会館で第6回修学旅行ホームページコンクールの表彰式を行った。大賞の文部科学大臣奨励賞は島根県隠岐の島町立西郷中学校が受賞。このほか高等学校、小学校の各部門賞と特別賞、入選が決まった。大賞の西郷中学校は、修学旅行先で自身のふるさと隠岐をPRする観光客誘致活動を行い、「修学旅行の狙いが明確で、ホームページの見せ方にも工夫がある」と高い評価を受けての受賞となった。
同賞は、小、中、高等学校が制作する、修学旅行の実施例を掲載するホームページ(HP)の中から、修学旅行の取り組み内容とHPの完成度について優れた事例を審査、表彰するもの。今回は昨年9月から12月まで応募を受け付け、合計514校(小学校51、中学校202、高等学校261)がエントリー。教育、旅行など各界の専門家による審査で賞を決定した。審査員には文部科学省、教育関係者ほか、近畿日本ツーリストの太田孝社長、観光経済新聞社の江口恒明社長らが名を連ねている。
大賞の文部科学大臣奨励賞に決まった西郷中学校は、関西へ3泊4日の修学旅行を行い、旅行先で生徒らが、自身が住む隠岐への観光客誘致に向けたPR活動を行った。
生徒は総合学習の時間で「ふるさと学習」として隠岐の観光産業を学習。地元の観光産業が低迷している現状を知り、「自分たちも何かできないか」と誘致活動に取り組むこととなった。
修学旅行や家族、若者、団塊の世代向け旅行を企画し、パンフレットを大阪の天神橋筋商店街で配布。このほか観光ポスターを作成して商店街で貼付を依頼したり、郷土芸能を上演するイベントを開催するなどした。
表彰式で西郷中学校の谷口桂介校長は「栄えある賞をありがとうございます。小さな島の中学生が、大きな偉業を達成したと、町を挙げて喜んでいます。子どもたちの大きな自信になりました」と受賞の喜びを語った。
このほかの受賞校は次の通り。
高等学校部門優秀賞=神奈川県立相模原高等学校▽中学校部門優秀賞=該当なし▽小学校部門優秀賞=横浜市立千秀小学校▽特別賞=京都府立須知高等学校▽入選=旭川大学高等学校、益田市立吉田小学校、垂井町立北中学校、神奈川県立大磯高等学校
記念撮影する受賞者(左端は文部科学省児童生徒課・倉見昇一課長補佐、右端は全修協・中西理事長)