信州キャンペーン実行委員会とJRグループによる「信州デスティネーションキャンペーン」(信州DC)が1日始まった。「未知を歩こう。信州」をテーマに、12月末までの間、さまざまなイベントが実施される。同日、JR上野駅で行われたオープニングセレモニーには溝畑宏観光庁長官や舩山龍二日本ツーリズム産業団体連合会会長も出席、地元関係者らとともに、DCの成功を期待した。
長野県でのDC開催は12年ぶり4回目。広域的な観光振興と交流人口の拡大を図るため、新潟県妙高市・十日町市・津南町と岐阜県中津川市もエリアに加えた。
「未知」「歩く」「食」「おもてなし」──をアピールし、期間中、観光客数は1700万人以上(前年同期比10%増以上)、観光消費額で640億円以上(同)を目標に掲げた。
「歩く」については、シニア層や女性の健康志向を踏まえ、自然の中の歩きやまちなか歩きなどを提案。「ウォーキングラリーの対象イベントは150以上」と実行委。
また、インバウンドにも取り組んでいる。JR東日本がDCに合わせて発売する「イーストパス・スペシャル」を利用して来る外国人観光客には「ザガット英語版」を成田空港のJR東日本外国人旅行センターでプレゼントする。
ハイブリッドシステムを搭載した新型リゾートトレイン「リゾートビューふるさと」(全車指定席)も注目を集めそうだ。DC期間中は長野駅から松本駅を経由して大糸線(松本駅〜南小谷駅間)で運転される。指定席券は大人510円、子供250円。
オープニングセレモニーであいさつした石司次男JR東日本副社長は、「DCを契機に信州の魅力を日本、世界に発信して、地域活性化に全社挙げて取り組んでいく」と強調。溝畑長官は「(DCテーマである)『歩く』ということを通じて、日本の観光に新しい大きな風が吹くことを期待している」、舩山会長は「旅行の印象(善し悪し)は人、おもてなしの印象で決まる。観光客に信州が好きだと思ってもらえれば大成功だ」と述べた。
セレモニー終了後には出席者らが「未知なる道の宝庫 信州へいってらっしゃい」と書かれた横断幕を手に持ち、新幹線ホームで10時10分発長野行き団体臨時列車の出発を見送った。
上野駅の新幹線ホームで長野行きの団体臨時列車を見送るDC関係者(1日)