JTBは1日、夏休み(7月15日〜8月31日)の宿泊旅行の動向見通しを発表した。国内旅行人数は7485万人と前年よりも1.0%減少する見込み。この夏は「今後の生活への経済的な不安から財布の紐(ひも)は固いようだが、できる範囲で工夫して旅行は楽しみたい、という気持ちの人が多い」と同社では見ている。
国内旅行の平均費用は2.9%減の3万3700円と推計。JTBの生活者アンケートで、旅行の目的では「帰省・離れて住む家族と過ごす」が19.4%と3.8%増加し、宿泊施設については「ホテル」や「旅館」が減少する一方、「実家・知人宅」が27.3%と5.5%増加している。今年は帰省が増え、費用を抑える傾向があるという。
行き先=表=は、北海道新幹線開業に伴い北海道や東北が注目されている。熊本地震後の初の夏休みに帰省やボランティアなどさまざまな目的で九州に出かける人も多い。今春オープンした京都鉄道博物館や15周年を迎えたユニバーサル・スタジオ・ジャパンの効果もあり、近畿も人気だ。
出発日のピークは8月12〜15日となっている。
海外旅行人数は、7.4%増の260万人となる見込み。イギリスのEU離脱の影響への懸念から急激に円高が進み、燃油サーチャージは4月からゼロとなり、海外旅行には行きやすい状況だ。
行き先は景況感を反映してアジアを中心に近場が増える。台湾、タイは昨年に続き堅調で、中国や韓国は復調傾向にある。
海外旅行の平均費用は14.0%減の21万6300円と予測している。