全国旅館ホテル生活衛生同業組合連合会(全旅連、北原茂樹会長)が8日開いた第94回全国大会では、不法民泊の排除などをうたった大会宣言と12項目の決議文を採択。全旅連主催の「第19回人に優しい地域の宿づくり賞」で厚生労働大臣賞、観光経済新聞社社長賞などを受賞した団体、旅館・ホテルを表彰した。
高齢者をはじめ、全ての人々に優しい配慮がなされている旅館・ホテルや組合主催の活動を表彰する「人に優しい地域の宿づくり賞」は、最高賞の厚生労働大臣賞を阿蘇温泉観光旅館協同組合、観光経済新聞社社長賞を栃木県旅館ホテル生活衛生同業組合青年部が受賞(6月4日付既報)。壇上でそれぞれ賞状と賞金が贈られた。
厚労大臣賞の阿蘇温泉観光旅組は、地域の飲食店を巻き込んだ外国人に優しい泊食分離の取り組みを実施。飲食店の多言語表記メニューや店舗マップを作製したほか、飲み歩きが楽しめるチケットを販売。アンケートでゲストの不都合を拾い上げ、各店舗で忠実に対応した点などが高く評価された。
本社社長賞の栃木県旅組青年部は、経営の成功例を学ぶ研修会を開催したほか、名産をモチーフにしたはっぴを作製。魅力ある青年部作りに努めた点が評価された。
表彰式ではほかに、旅館業と組合活動に功績があった104人(厚生労働省医薬・生活衛生局長表彰14人、全国生活衛生同業組合中央会理事長感謝状33人、全旅連会長表彰57人)を表彰した。
大会は毎年、各都道府県旅館ホテル組合の主管で開催。5年に1度、全旅連本部の主管で東京都内で開催しているが、今年は32年ぶりに東京都ホテル旅館生活衛生同業組合が主管した。
大会実行委員長を務める東京都旅組の齊藤源久理事長(新宿区・ニューショーヘイ)は「東京はオリンピックに向けて日々街が変化している。その様子をご覧いただきながら、同業者同士の交流を深めていただきたい」とあいさつ。
北原会長と来賓のあいさつに続き、先に発生した「熊本地震」の被災地に義援金を贈呈。
大会の最後に来年の開催地に決まった石川県の旅館ホテル生活衛生同業組合のメンバーが登壇。多田計介理事長が歓迎のあいさつを行った。