京都市では、高齢者の増加を見据えて施設やサービス改善のため専門チームを設けるホテルや、車いす用遊歩道を設置する寺社など、高齢化時代の観光客獲得に向け、バリアフリー化が進められている。同市内を訪れる観光客の中で、60歳以上の割合が00年の611万人から05年には822万人へと増加していることが背景にある。
バリアフリー化を進めているホテルの1つ、京都市下京区のグランヴィアホテル京都は、車いすを必要とする高齢者や障害者のリピーター化を目指す。車いすでも楽しめる観光地のリストアップの作成や、ドアスコープを車いすからでものぞけるように低い所に設置するサービスなどの提供をしている。計6室のハンディキャップルームの利用数は年々需要が高まっている。
また、同ホテルでは04年、ユニバーサルサービス推進チームを結成し、社員が「ハートフルアドバイザー」や「手話検定」など、福祉資格を取得。ハード面だけでなく、ソフト面の改善も図る実践的な取り組みを行っている。
観光地では、三十三間堂が06年8月に車いす用遊歩道を境内に設置するなど、バリアフリー化を積極的に進めている。