跡見女子大・山崎まゆみさんの授業で
観光経済新聞でコラムを連載する温泉エッセイストの山崎まゆみさんが担当する跡見学園女子大学(東京都文京区)の授業「温泉と保養」に14日、神奈川県箱根温泉「一の湯グループ」の小川晴也相談役がゲストスピーカーで参加した。小川氏はグループが注力する「人時生産性」の取り組みを解説。旅館への就職を希望する学生らにアドバイスを送った。
人時生産性は、従業員1人、1時間当たりの粗利益高。一の湯は「他産業に負けない給料を払った上で、しかるべき利益を残せる額」として5千円を目標に掲げている。人時生産性の向上へ、調理や購買機能の集約、従業員の“ムダ、ムラ、ムリ”をなくす勤務体制の構築と実施、週単位で従業員の労働時間を1分単位で計測し、生産性を算出する「週間コントロール」に取り組んでいる。
小川氏は「働くことが楽しくなければならない」「週40時間しか働かなくてよい社会を作りたい」と強調。学生に向けて「“労働三法”を守っている会社か、就職のときに調べた方がよい」とアドバイスした。旅館への就職については「一の湯は(講義を受講した学生は)誰でもウエルカム」と述べた。一の湯グループは在宅勤務や障害者雇用の実施、検討も進めている。
山崎さんの授業では、温泉と保養に関する基礎知識、外国人に温泉の魅力を伝える方法、バリアフリー温泉とユニバーサルツーリズムなどを講義。温泉の魅力を広く伝えられる「温泉マスター」の育成を目指している。
山崎さん(右)とゲストスピーカーの小川さん