コンサルタントのリョケンはこのほど、四半期ごとに行っている旅館・ホテル短期観測アンケート調査の12月実施分を公表した。昨年秋(9〜11月)の宿泊単価は上昇傾向とする施設の割合が前年調査から増加。ただ、客数は増加傾向が約3割で、前年の約4割を下回った。この冬(1〜3月)の見込みは、宿泊単価は前年並みだが、客数傾向は横ばいまたは減少で9割近くを占めている。
昨秋の自館の客数実績は、増加傾向が29.2%、横ばい傾向が27.4%、減少傾向が43.4%。前年調査では、増加傾向が41.1%、横ばい傾向が25.0%、減少傾向が33.9%だった。
地域全体の客数実績も、増加傾向が15.4%と、前年調査の29.5%を下回った。
自館の客数実績を地区別にみると、関東の増加傾向が68.8%と、高い数字になっているのが目立つ。
半面、東北の一部や関東を除く全ての地域で減少傾向が5割以上となった。回答者からは「団体旅行・ツアーの減少から、宿泊客数が減少した」とのコメントが多かった。
昨秋の宿泊単価は、基本宿泊単価、総宿泊単価ともに上昇傾向の回答が増加。基本宿泊単価は、上昇傾向が24.3%で、前年調査の17.9%から6.4ポイント増えた。
一方、この冬の見込みをみると、自館の客数傾向で増加傾向とする施設が11.3%にとどまった。横ばい傾向が47.2%、減少傾向が41.5%で、この二つを加えると88.7%と9割近くを占める。「先の見込みを把握しづらくなっている様子がうかがえる」(リョケン)。
宿泊単価は、基本宿泊単価、総宿泊単価ともに横ばい傾向が6割台を占める。下降傾向は2割台で、上昇傾向は1割に満たない。