旅館・ホテルに特化し、設備投資や改装工事、社員研修、販売促進などのコンサルティングを行うリョケン(静岡県熱海市、佐野洋一社長)は12月13、14日の2日間、通算158回目となる「旅館大学セミナー」を滋賀県・おごと温泉のびわこ緑水亭で開催した。全国から旅館経営者、幹部ら約160人が参加した。
おごと温泉は、一時期の歓楽温泉のイメージを払拭すべく、特許庁の「地域ブランド(地域団体商標)」の登録を皮切りに、旅館経営者を中心にブランド戦略が進められてきた。会場となったびわこ緑水亭は、別館を解体し、16年8月に1階がダイニング、2階が洋室の新棟「碧の章」に改装。77の客室のうち51室が露天風呂付き客室となっている。
1日目は、びわこ緑水亭の館内見学を実施。その後、びわこ緑水亭の金子憲司社長が「びわこ緑水亭創業20年の歩みと旅館経営への想い」、金子憲之専務が「満足度向上×生産性向上 両立を目指すびわこ緑水亭の経営戦略」をテーマにそれぞれ講演を行った。
2日目は、リョケンの「平成29年 旅館の経営指針」を発表。講演した佐野社長は、旅館経営の現況について「労働力の減少」「深刻な求人難」「インフレ懸念」「競争の激化」「インバウンドの増加とリスク」などがあると指摘し、「将来に備える体質づくり」が求められると指摘。競争力、利益率、財務体質を重視した経営の必要性を訴えた。
さらに、経営課題の着眼点として、組織、業務分掌、勤務シフト、物の流れなどの「仕組みの改革」と、会議や取り組み、書類の「マンネリの打破」を挙げた。
まとめとして、旅館の重点施策を実行するためのポイントを木村臣男会長が提示した。