ユナイテッド航空は3日、米ブーム社と超音速旅客機購入で合意したと発表した。
ユナイテッド航空(本社:シカゴ、最高経営責任者:スコット・カービー)は、6月3日(米国中部時間)、米デンバーを拠点とする航空宇宙企業「ブーム・スーパーソニック社」と商用合意を締結し、同社の航空機の購入及び、民間航空に超音速を取り戻すため協力して持続可能な取り組みを進めることを発表しました。
今回の合意では、ユナイテッド航空は、同社の安全、運航、持続可能性基準を満たすことを条件に、ブーム社の「オーバーチュア」航空機を15機購入し、その後オプションとして追加で35機購入することが可能となっています。ユナイテッド航空およびブーム社は、航空機の引き渡し時期までにそれらの基準を満たすよう協力して取り組みます。このオーバーチュア機は、運航が開始される際には、持続可能なジェット燃料(SAF)を100%使用し、運航初日から実質排ガスゼロの「ネットゼロ・カーボン」として運航する初の大型商用機となることが期待されています。同機は2025年には完成し、翌2026年には飛行を開始、そして2029年までには乗客を乗せての商業飛行が可能になる予定です。また、ユナイテッド航空とブーム社は、今後、協力してSAFの製造・供給の加速化を進めます。
今回の発表について、ユナイテッド航空の最高経営責任者スコット・カービーは「ユナイテッド航空は、より革新的で持続可能なエアラインを構築するという軌道を継続する中、今日の技術の進歩がそれをより実行可能としており、今回の超音速機もその一例です。ブーム社の民間航空の未来を見据えたビジョンと、弊社の最も強固なグローバルネットワークが一つになることで、ビジネスおよびレジャー目的のお客様に素晴らしい飛行体験をご提供できるようになります。弊社のミッションは、人々をつなぐことであり、今回ブーム社と協力することにより、より大きなスケールでミッションを実現することが可能となります」と述べています。
オーバーチュア機は、現在の最も高速な航空機の2倍の速さであるマッハ1.7のスピードで飛行することが可能で、500以上の都市を従来と比較して約半分の飛行時間で結びます。ユナイテッド航空が同機を導入する可能性の高い路線として、ニューアーク(ニューヨーク)からロンドンへは3時間30分、ニューアークからフランクフルトへは4時間、そして、サンフランシスコから東京(成田)へは、わずか6時間で結びます。オーバーチュア機は、シートに内蔵されたエンターテイメントスクリーンや、ゆったりとしたパーソナルスペース、そして非接触技術などを駆使した機内プロダクトを提供します。ブーム社と協働することは、より持続可能な航空旅行の未来を構築するために革新的な技術に投資するというユナイテッド航空の戦略の構成要素の一つとなっています。
ブーム社の最高経営責任者ブレーク・ショールは、「今回、世界初となる実質排ガスゼロの「ネットゼロ・カーボン」として運航できる超音速機の購入締結合意は、よりアクセスが可能な世界を構築するという弊社のミッションに対して大きな一歩を踏み出すものです。ユナイテッド航空と弊社は共通の目的を持っており、それは世界を安全にかつ持続的に一つにすることです。ユナイテッド航空のお客様は、従来に比べて2倍のスピードで人生の全ての利点を体験できるようになります。それは、より深く生産的な顧客との関係構築に始まり、より遠方の目的地でより長期に、よりくつろいだ休暇を楽しむことへもつながります」と述べています。