「展望砂風呂の宿」として知られる旅館「ふくみつ華山温泉」(富山県南砺市)。首まで砂に入ると、デトックス効果でストレスを取り除く。設置から30年がたち、今では砂風呂目当ての宿泊客も多い。
創業は1983年。建物や設備の老朽化が目立っていた。このため、3月の北陸新幹線開業に合わせて自館もリニューアルしようという機運が盛り上がった。
昨年7月にミサワホームに施工を依頼した。費用のほか、工期も「新幹線開業の今年3月まで」という厳しい条件だったが、ミサワの提案はそれをクリアした。
リニューアル対象は、客室23室のうち18室と大浴場、エントランス、大広間など、館内の大部分。
客室は現代人の生活様式に合わせて和室からベッドを入れた和洋折衷に、大浴場は汚れや傷が目立っていたガラス窓を可動式に替えて「半露天」に、エントランスはフロントの位置を正面にして宿泊客の動線を直線に、大広間は「半個室ダイニング」に、それぞれリニューアルした。館内は落ち着いた茶系色に統一し、「癒やし」の空間を創出した。
同館開業以来最大級となるリニューアル工事のため、「不安な点はいっぱいあった」(女将の東祐子さん)という。ミサワは設計士や工事担当者らが足しげく同館を訪問し、一つ一つ疑問を解消。工事中は館内に事務所を設け、すぐに説明できる状態を整えたことも安心感につながった。
工期は2カ月。完成後に訪れた客の多くから「きれい」「とても変わった」などと感嘆の声が聞かれたという。東さんは「ミサワさんと共に進めてきたリニューアル。的確なアドバイスなど、とても助かった」と振り返っている。
この件についての問い合わせ先は、ミサワホーム旅館ホテルリニューアル担当TEL0120(398)330(10〜18時、土・日・祝日休み)。
リニューアルした客室