ホテル旅館の業況DI、前期比25ポイント上昇


日本公庫調査4~6月期、生衛業全体も増

 日本政策金融公庫はこのほど、生活衛生関係営業の景気動向等調査の4~6月期分を公表した。同期のホテル・旅館の業況判断DI(前期比で好転の企業割合から悪化の企業割合を引いた値)はマイナス3.8で、前期比24.7ポイント上昇した。生活衛生関係営業全体は同17.5ポイント増のマイナス14.2。ただ、前年同期比は0.8ポイント減と、2期ぶりに低下した。基調判断は「持ち直しの動きに足踏みがみられる」と、前回調査の判断を据え置いた。

 ほかの業種(全9業種)を見ると、プラス水準は映画館、クリーニングの2業種。氷雪がプラスマイナス0だった。

 来期(7~9月期)の見通しDIは、ホテル・旅館が今期比1.6ポイント増のマイナス2.2。生活衛生関係営業全体は同1.9ポイント減のマイナス16.1。

 ホテル・旅館の主な業況判断理由は次の通り。

 「インバウンド対応で客室を倍増する増築が完了し、リニューアルオープンした効果で、5月の連休を含め客室稼働率が10%向上した」(北海道、今期、好転)。

 「今年は雨が少なく、桜の開花期間が例年以上に長かったこともあり、花見観光客が増え、5月の10連休も重なり、客室稼働率は好調であった」(福島県、今期、好転)。

 「当期は、日本100名山への登山ブームもあり宿泊客は増えた。来期は、例年より3連休が多くお盆時期を含む夏休み期間に観光シーズンが本格化するので、さらに好転が期待できる」(群馬県、来期、好転)。

 「大型連休の効果で団体客の予約が多く入り、客室稼働率も改善できたことから、売り上げは大きく伸びた」(長野県、今期、好転)。

 「長期間滞在の工事関係者や営業担当が近隣のビジネスホテルに宿泊するようになり、2食付きの当旅館が敬遠されるようで、業況悪化が続いている」(福井県、今期、悪化)。

 「大型連休による4~5月の宿泊およびレストランの集客数、売り上げ、単価ともに伸びを見せたが、連休前後は減少となりトータルは不変」(滋賀県、今期、不変)。

 「インバウンドの宿泊需要は旺盛であるが、宿泊施設の供給過剰から、値下げによる価格競争が激しくなっている。また、人件費の高騰等もあり利益の確保が厳しくなっている」(大阪府、今期、悪化)。

 「例年よりもスポーツ関連の大会が多く開催され、会場への利便性から団体客の連泊が増加した」(鳥取県、今期、好転)。

 「ゴールデンウイークの10連休や瀬戸内国際芸術祭もあり、従来より宿泊者の増加があった」(香川県、今期、好転)。

 「2~12月まで、『リョーマの休日 自然&体験キャンペーン』が県内各地で開催されており、週末はほとんど満室状態である。キャンペーン効果が浸透してきており、来期も現状維持はできる見込みである」(高知県、来期、不変)。

 「春休みや大型連休があり、全体的に調子が良かった。また、IC関連の地場産業も例年になく忙しいようで、出張者や工事関係者の連泊が増えている」(佐賀県、今期、好転)。

 「大型連休で外国人観光客を含む団体ツアーの宿泊客が増えたことや、高校総合体育祭が地元で開催されたこともあり、選手を含む学校関係者の連泊で客室稼働率が高まった」(熊本県、今期、好転)。

 
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