ブッキングドットコム・ジャパンは13日、ゆのくに天祥、別邸千寿庵など旅館のサスティナブルな取り組みを紹介した。
多種多様な宿泊施設や旅ナカ体験、旅行中のシームレスな移動手段を提供する世界最大級の宿泊予約サイト Booking.com の日本法人 ブッキング・ドットコム・ジャパン株式会社(本社:東京都港区 以下:ブッキング・ドットコム)は、30ヶ国にわたる29,000名以上の旅行者*とパートナー施設**を対象に実施した2021年度版の「サステナブル・トラベル」に関する調査では、日本の旅行者の82%が「旅行において、サステナビリティが非常に重要だ」と回答し、サステナブル・トラベルへの意識の高まりが見受けられました。しかしながら、「サステナブルな取り組みを行っている宿泊施設が存在していることを知らなかった」と回答した日本の旅行者は、いまだ半数以上(54%)であることが判明し、旅行者がサステナビリティを意識して宿泊施設を選択できるようになるにはまだ課題が多く残っています。このような調査結果を受け、旅行者が次の旅行でサステナブルな選択をより簡単にできるよう、旅先で取り組める環境に配慮した取り組みと、宿泊施設を選ぶ際に注目すべきことをご紹介します。また、宿泊施設が取り組むことができるサステナブルな取り組みについても合わせてご紹介します。
■旅先でも日常的に環境に配慮をして行っている取り組みを!サステナブル・トラベルへの第一歩を踏み出そう
「サステナブル・トラベル」の調査*によると、世界の旅行者の48%は「旅先でサステナブルな取り組みを実施することは難しい」と感じていることが判明しました。しかし決して難しく考える必要はなく、日常生活の中に取り入れているサステナブルな取り組みを旅先で行うだけでも、サステナブル・トラベルへの第一歩といえます。日本の旅行者が日常的に行っているサステナブルな取り組みを調べると、「リサイクル」(45%)、「ゴミの量を減らす」(42%)、「短距離の移動には公共交通機関や車の代わりに徒歩や自転車を使用する」(42%)が上位を占めました。
■ 旅行者が宿泊施設でできる環境に配慮したサステナブル取り組み
ブッキング・ドットコムが考える、旅行者が旅先の宿泊施設で実践できるサステナブルな取り組みを紹介します。今後旅行に行く際、是非取り組んでみてはいかがでしょうか。
1)タオルを再利用し、毎日のリネン交換は不要と伝える。
「サステナブル・トラベル」に関する調査に回答した日本の旅行者のうち、「タオルを再利用している」と答えた旅行者はわずか17%であることが判明しました。宿泊施設が既にその選択肢ができるような機会を提供している場合もありますが、もし無い場合も、リネン交換の頻度を調整することが可能かどうかを宿泊施設に確認することが大切です。
2)宿泊施設でもゴミを分別する。
全てのゴミをまとめて部屋のゴミ箱に捨てるのではなく、環境に配慮したゴミの出し方を心がけることが大切です。リサイクルゴミを捨てる場所が分からなければ宿泊施設に問い合わせましょう。
3)節水を心がける。
もし旅先が真水の確保が難しい地域だとすればなおさらのことですが、例えば普段のシャワー時間の長さを測り、旅先ではその時間よりも30秒早く切り上げられるかをチャレンジしてみましょう。
4)普段使っているシャンプーを小さいボトルに詰め替えて持参し、アメニティは持ち帰る。
「サステナブル・トラベル」の調査によると、宿泊施設のアメニティを使用しなかった経験がある日本の旅行者は22%でした。多くの宿泊施設では環境に配慮して既に使い捨てバスアメニティの提供の廃止を開始しましたが、まだ提供している宿泊施設も多くあります。もし提供されている場合は、アメニティはゲストが使用しない場合も廃棄される場合が多くあるので、持ち帰り、次回旅行に行くときに詰め替え用の容器として再利用しましょう。
■予約前に宿泊施設が実施するサステナブルな取り組みをブッキング・ドットコムで確認!
旅行者にとって旅先でどのような宿泊施設に滞在するかは旅行体験に大きく影響します。ブッキング・ドットコムの調査*では、3人に1人の旅行者(世界:31%、日本:28%)は「サステナブルな宿泊施設をどこで見つけられるかよく分からない」と回答したことが分かり、サステナブルな宿泊施設を探す方法がまだ浸透していないことが明らかになりました。これを受け、ブッキング・ドットコムではパートナー施設の掲載ページにて、パートナー施設が取り組んでいるサステナブルな活動の表示を開始しました。「サステナビリティへの取り組み」ラベル内ではパートナー施設の取り組みを5つの主要カテゴリー、「廃棄物の削減」「エネルギーや温室効果ガス」「節水」「地元コミュニティ支援」「自然環境」に分類して表示しており、旅行者は例えば「100%再生可能エネルギーを使用しているか」、「節水シャワーを導入しているか」、「宿泊施設が提供を廃止した使い捨てのプラスチック製品」などを予約前に確認することができます。そこで、今回は日本で既に「サステナビリティへの取り組み」ラベルの表示を実施しているパートナー施設をその取り組みとともに紹介します。
■TRUNK(HOTEL)(東京都、渋谷区)
旅行者が単純に宿泊するためだけの施設ではなく、等身大の社会貢献を体験する「ソーシャライジング」がコンセプトのTRUNK(HOTEL)では、よりサステナブルで環境に優しい旅行を実現するため、使い捨てのミニボトルに入ったシャンプー、コンディショナー、ボディソープやプラスチック製の食器の提供を廃止し、また水を効率的に利用したトイレを設置するなど様々な取り組みを行っています。また、環境に配慮するだけでなく、地元に配慮することもサステナブルな取り組みの一つであります。TRUNK(HOTEL)では、収益の一部を社会事業へ投資するなど、地域コミュニティへの還元にも取り組んでいます。
■ゆのくに天祥(石川県、加賀市)
趣の異なる3つの温泉大浴場、「悠幻の湯殿」「滝見の湯屋」「九谷の湯処」があり、“一泊三湯十八ゆめぐり”をお楽しみいただけるゆのくに天祥では、タオル交換不要の選択肢を提供しており、また宿泊施設全体の照明にエネルギー効率の良いLED電球を使用するなどのサステナブルな取り組みを実施しています。
■別邸仙寿庵(群馬県、みなかみ町)
谷川岳を借景に谷川の渓流沿いに佇む静かなプライベート空間と個性的な5つの温泉を楽しむことができる仙寿庵は、ブッキング・ドットコムが連携しているサステナブル・ツーリズムの基準を確立・管理している認証機関の一つであるFEE’s Green Keyの認定を取得しており、施設には電気自動車の充電設備も設置しています。
■宿泊施設がサステナブルな取り組みをさらに行えるようにブッキング・ドットコムがサポートできること
ブッキング・ドットコムの調査**ではパートナー施設の4分の3**が「サステナブルな取り組みを実施している」と回答している一方、「取り組みについてユーザーに積極的に伝えている」施設はわずか31%**で、59%**は「チェックインの際にのみ取り組みについて伝えている」ことが明らかになりました。ブッキング・ドットコムではハンドブックや専用コンテンツなど様々な啓発リソースを通じて、パートナー施設がさらにサステナビリティについての理解を深め、さらに多くの取り組みを実施すること、また、取り組みを旅行者に発信することが容易になるよう支援して参ります。
ブッキング・ドットコムはパートナー施設へ向けて様々な情報を発信しているPartner Hubで、食品廃棄物の削減や、エネルギー消費量の削減などに向けて宿泊施設が行える具体的な取り組みを発信しています。ここではそれらの取り組みの中から、プラスチック削減を支援するTravel Without Plasticの専門家による「プラスチックの使用量を減らす方法」と、様々な企業がよりサステナブルな取り組みを行えるように支援するInnovation Lighthouseによる「水の消費量の削減方法」を紹介します。
1) プラスチックの消費量を減らすには
まずは、現在のプラスチック製品の在庫一覧を確認し、一覧を見ながら本当に必要かどうか、また使用を停止し、他の製品で代替できるものはないかを検討します。さらに、周辺エリアから調達できる製品を調べることで、地域経済への還元やカーボンフットプリントの抑制につながります。以下にプラスチック製品の代替案をいくつかご紹介します。
・アメニティには、個包装のボトルの代わりに詰め替え可能な容器を使用
・プラスチック / ポリスチレン製のコップを耐久性のある多目的コップに変更
・ボトル入り飲料水の代わりにウォーターサーバーを設置、または水道水が飲める場合はゲストにとってわかりや すいよう明確に表示
・再利用可能なボトルをゲストに販売またはプレゼントすることでプラスチック消費の削減を推進(可能な場合)
・プラスチック製ストローの代わりに金属製または竹製のストローを用意
・プラスチック包装の代わりに、再利用可能な布やリサイクル可能な紙など工夫の効いた代替品を使用
2) 水の消費量を減らすには
宿泊施設が節水を実現する第一歩として、現在の宿泊施設全体の水の消費量を測定することから始めます。そして節水対策の一つとして洗濯の回数を減らすために、ゲストがタオルの再利用を希望する意思表示をできる仕組みを導入します。
ライトで水の使用量をリアルタイムで知らせるシャワーヘッドを開発したスタートアップ企業のHydraoの調査によると、ホテルでの滞在中にゲストは通常よりも2.5倍以上の水を消費することが判明したことから、宿泊施設は、ゲスト自身が水の使用量を意識し節水を心掛けるように、スマートシャワーや、節水シャワーヘッドを設置し、ゲストを促すことも大切です。また節水に協力したゲストへ特典を提供するのも一つの効果的な方法です。そしてゲストだけではなく、清掃スタッフに対してもサステナビリティについての教育を行うことも必要です。清掃時にトイレの水洗を最小限に抑えること、水を流したままにしないこと、ホースではなくモップを使用して床を清掃することなどが含まれます。
*調査はブッキング・ドットコムによって、30の国・地域の計29,349名の回答者(内訳:アメリカ1,000名、カナダ1,007名、メキシコ1,000名、コロンビア964名、ブラジル1,000名、アルゼンチン1,000名、オーストラリア999名、ニュージーランド941名、スペイン1,001名、イタリア1,000名、フランス1,000名、イギリス1,000名、ドイツ1,000名、オランダ1,003名、デンマーク986名、スウェーデン1,000名、クロアチア997名、ロシア1,005名、イスラエル1,003名、インド1,000名、中国1,000名、香港1,005名、タイ968名、シンガポール963名、台湾1,000名、ベトナム1,005名、韓国1,000名、日本1,000名、南アフリカ1,002名、ケニヤ500名)を対象に独自に行われたものです。アンケート回答者については、18歳以上であり、過去12ヶ月のうち1回以上旅行をした、および2021年に旅行する予定があり、旅行に関する決定をした主要な人物またはその決定に関与した人物であることが条件でした。本アンケートは、2021年3月にオンラインで実施されました。
**調査はブッキング・ドットコムによって、オーストラリア、オーストリア、ブラジル、中国、クロアチア、フランス、ドイツ、ギリシャ、インド、インドネシア、イタリア、日本、メキシコ、ポーランド、ポルトガル、ロシア、スペイン、タイ、イギリス、アメリカの3,390軒の宿泊施設で構成される代表サンプルを対象に行われたものです。本アンケートは、2021年4月にオンラインで実施されました。