ハイアットは、料理コンペティション「ザ・グッド テイスト シリーズ2019」日本・ミクロネシア地区大会を開催した。
食の世界においてもお客様から高い評価をいただいているハイアット (www.hyatt.com)では、ハイアットの料理人育成プログラムの一つとして「ザ・グッド テイスト シリーズ (#TheGoodTasteSeries)」と銘打った料理コンテストを毎年開催しています。2014年に米国で始まった同コンテストは、現在では全世界のハイアットのホテルに勤務する総料理長をのぞく全ての調理スタッフを対象に行われており、毎年各ホテルから選出された代表者1名が地区大会に臨み、それぞれの地域大会(アジア・パシフィック、欧州、米州)を勝ち抜くと、最終決戦となる世界大会へ進みます。
第3回となる今年の日本・ミクロネシア大会は、昨日、8月28日にパーク ハイアット 東京で開催。緊張感に包まれた会場で11名が6時間におよぶ熱戦を繰り広げ、ハイアット リージェンシー 京都 (www.hyattregencykyoto.com) の近藤大地(高知県出身、30歳)が優勝しました。
近藤は調理師専門学校卒業後、京都のフレンチレストラン勤務を経て、2017年ハイアット リージェンシー 京都に入社。現在、同レストラン「ザ・グリル」でシェフ・ド・パルティエを務めています。後輩の育成やキッチンでのさまざまな管理業務をこなし、料理で常にベストを尽くすことを使命としている近藤は次のように喜びを述べました。
「料理への興味、好奇心は年々膨らんでいました。昨年はこの大会で優勝した一年後輩の奥田くんにホテルの予選会で敗れて出場できなかったので今年は2回目の挑戦でした。今年は自分なりに準備してきたので力を出すことができたと思います。大会の全ての関係者にお礼を言いたいです。本当にありがとうございました」。
ザ・グッド テイスト シリーズは、各ホテルでプロの料理人として働くスタッフがそのスキルを高め合う大会なので、コンテストの方式も本格的。コンテスト前夜、“ブラックボックス”と呼ばれる当日の食材が入った箱が開けられ、そこで初めて、コンテスト参加者たちは食材を知らされます。コンテスト当日、参加者は朝から6時間をかけて冷たい料理と温かい料理の2品をつくり、外部の著名シェフ、料理研究家、料理ジャーナリストなどからなる総勢20名を超える審査員団が全皿のテイスティングを行い、厳正に審査します。
今年の日本・ミクロネシア地区大会の審査員を代表し、仏・レジオンドヌール勲章受章のフランス料理シェフ、アンドレ・パッション氏は「このようにすばらしい大会を用意してもらえるハイアットの料理人たちは幸せです。今日参加した皆さんは一所懸命に料理をつくり、レベルもとても高かった。私を審査員として招いてくださり感謝します」と話しました。
ザ・グッド テイスト シリーズは地区大会から最終決戦の世界大会まで、会場と運営は毎年持ち回りでホテルが担当していますが、今年の日本・ミクロネシア大会はパーク ハイアット 東京で開催されました。パーク ハイアット 東京ではホテルで日々提供する食材について並々ならぬこだわりがあります。シェフ自らが日本全国の産地へ資材担当者と共に赴き、どのように農水産物がつくられているのか、その丁寧で繊細な作業の現場を実際に見学し、こだわりや情熱について生産者から直接話を聞き、吟味を重ねた上でメニューに取り入れています。2011年の東日本大震災後は、風評被害に苦しむ東北各県の誇るべき食材を取り入れたフードプロモーションを行い、また豪雨などで甚大な被害を受けた地域の食材を使用するなど、日本の真摯な生産者がつくる食材の素晴らしさをお客様へご紹介する努力を続けています。
今大会で使用された主な食材は以下のとおり。
- いわて短角牛: 自然放牧、自然交配というストレスの少ない環境で育ついわて短角牛は和牛の中でも脂肪分が少ない赤身の高タンパク牛肉。アミノ酸を多く含み、かむほどにおいしさが広がる肉質が特徴。夏山冬里方式で手塩にかけて育てられた牛たちは、5月になると牧場に放牧され、10月には里の牛舎へ帰ってくる。これにより牛肉本来の赤身のうまみ成分が凝縮されて、また脂肪を燃焼させる成分、カルニチンを多く含む。
- 八幡平サーモン: 濃く鮮やかなオレンジ色の身は臭みがなく、引き締まって弾力があり、ほどよくのった脂にはうまみがある。日本名水百選の一つ「金沢清水」湧水とアスタキサンチンを豊富に含んだ独自の餌で、3年の歳月をかけて自然に近い環境で育ったニジマス。長時間鮮度を保持するための「活絞め神経抜き」の技術にも定評がある。
- 三陸のホタテ: 肉厚な貝柱の強い甘味とプリプリとした食感が自慢。タウリン、亜鉛、ビタミンB群などが豊富で、うまみ成分であるアミノ酸も多い。
今年の開催地となったパーク ハイアット 東京のロナン・カドレル総料理長は大会について次のように語りました。
「ザ・グッド テイスト シリーズの出場を通して、参加者は日々の業務では気づかないすばらしい経験を得ることができます。別の職場で働く同僚と会し、競い合うことで別の視点から自分の仕事を見直すことができ、真の自己研鑽につながります。大会に参加した今、参加者は違う自分を発見することでしょう。今回は東北地方の食材をテーマにしました。おいしい料理には欠かせない優れた食材として皆さんにご紹介できたことを嬉しく思います」。