未来志向の日韓交流の促進や、五輪などスポーツを通じて観光活性化を図る「日韓友好の夕べ」(主催・韓国訪問委員会)が11日、韓国・ソウル市内のロッテホテルソウルで開催された。日韓両国の観光、経済関係者らが、日韓相互交流1千万人の目標達成に向けて意見を交わすなど交流を深めた。日本からは観光関係者など日韓観光・経済交流団360人を含む、約450人が参加した。
冒頭あいさつした、韓国訪問委員会の朴三求(パク・サムグ)委員長は、日韓の相互交流について「日韓両国の関係が政治的に疎遠な時期もあったが、近い隣国、隣人として民間レベルで交流が続き、民間交流が両国の関係を支えてきた」と説明した。
交流人口に拡大に向け「平昌五輪が開催される来年は、日韓相互交流1千万人といった、両国交流の新しい関係が構築されるだろう。20年の東京五輪では、交流人口が1500万人を達成出来るよう共に努力したい」と意欲を示した。
今後については「平昌、東京、そして22年には北京でも五輪が開催される。このスポーツのメガイベントを日韓中3カ国が協力し準備することは、観光産業の飛躍的な発展や政治、経済、社会などでも交流を活性化できる契機となる」と協力の重要性を説いた。
日本側を代表してあいさつした、自民党の二階俊博幹事長(全国旅行業協会会長)は日韓関係の構築に向け「日韓両国の親善を深めるためには、民間レベルの交流が最も大事だ。日韓は最も重要な隣国であり、心の交流を図ることが何よりも重要だ」と連携を呼び掛けた。
日韓交流の促進については「五輪を契機として日韓交流の裾野を広げ、観光を通じて未来志向の新しい日韓関係を構築していくことが最も大事だ」と述べた上で、「日本と韓国が合同して目標を成し遂げることが出来るように、韓国の分の責任も背負って頑張りたい」と決意を述べた。
また、隣国ならでは課題にも言及し、リーダーの直接対話と国民間の交流の拡大、相互理解を深める必要性を説いた。
韓国側を代表して祝辞を述べた、韓国文化体育観光部の羅棕珉(ナ・ジョンミン)長官職務代行は「両国が五輪開催国としてスポーツの力量だけでなく、観光コンテンツとサービス、施設などを拡充させて地域観光を活性化し、観光市場の成長が出来るよう知恵と力を尽くす」と強調した。
日本側を代表して祝辞を述べた長嶺安政在韓日本大使は「今日の夕べのテーマである観光がとても重要。大使館としても韓国政府、観光関係者と協力し、交流人口1千万人の目標を早期に達成できるように引き続き協力したい」と語った。
このほか、乾杯のあいさつで、韓国側からドブルオ民主党の文喜相(ムン・ヒサン)国会議員は「平昌、東京五輪に力を合わせるほか、日韓、アジア、世界の平和と繁栄のために連携し力を合わせなければならない」と訴え、元駐日大使で韓日親善協会中央会の柳興洙(ユ・フンス)会長は「草の根の交流を続け、さらに交流を活発化させ、韓日の友好と発展を期待している」と語った。
日本側からは、自民党の林幹雄幹事長代理が「日韓友好の夕べが新たな日韓関係のスタートになる」と述べ、自民党の西村康稔筆頭副幹事長は「ソウルや済州島や釜山以外にも韓国では良い場所がたくさんある。お互いをもっと知りあって、交流を深めていきたい」と意気込んだ。