3日に就航1周年を迎えたジェットスター・ジャパンは4日、新たにローソンと提携したことを発表した。これにより全国のローソン店内に設置しているマルチメディア端末「Loppi(ロッピー)」で、ジェットスターのチケットが購入できるようになった。LCCがコンビニと提携するのは海外でも珍しく、日本では初となる。
ロッピーとは、全国約1万店舗のローソンに設置されている、チケットの販売や、保険への加入、クレジットカードや公共料金の支払いを代行する端末。
ローソンとの販売提携発表会であいさつした鈴木みゆき社長は「ローソンで販売することで、航空券へのアクセスが格段に上がった。チケット購入の選択肢が広がり、購入のハードルが下がった」とし、ウェブでの購入に不慣れな高齢者や、現金で支払いをしたい人が購入しやすくなったと強調した。「ローソンの客は便利さ、気軽さ、手間や時間の短縮を求め来店する。ロッピーは手早く購入できるのでローソンの客に受け入れられると思う」と述べた。
ローソンの玉塚元一取締役代表執行役員は「ロッピーでの購入方法は、なるべく分かりやすく、お年寄りでも操作しやすく設計した。店舗のスタッフも手助けしながら、チケット購入を拡大していければ」とし、「まずは1万店で働いている20万人のスタッフから購入して、一瞬の休みができたら旅をする取り組みを始めていきたい」と述べた。
ジェットスターはローソン経由の販売目標を初年度は5%とし、2年目からは10%を計画する。現在は8割がコールセンターやウェブの直販で、2割が代理店を通じて販売している。
ローソンとは排他的な契約ではないため、今後も他コンビニとの提携を積極的に進める予定。
チケット購入時の手数料は、7月中は限定価格の420円で、それ以降は630円。
国内線拡大に注力 幅の広い路線網を
会見後、囲み取材に応じた鈴木社長は、就航1周年の感想について「地方の経済に貢献できたのではないか」と述べ、今後の路線の展開については「当分は国内線に注力していきたい。新しい就航地も企画している最中。LCCの中では最も幅の広い国内路線を展開していく」と既存の路線の便数増と国内線の就航地拡大を強調した。
6月に全日空との合弁解消を発表したエアアジアについて聞かれると「他社の経営方針に意見する立場ではない」とした。エアアジアと同じく成田空港を拠点としているジェットスター。成田空港に開拓の余地はあるか尋ねられると「成田経由で千歳、沖縄に足を運ぶ客が1年で3倍に増えている。潜在的需要が顕在化している」とした。
関空空港の第2拠点化が再三延期されていることについては「(計画がなくなることは)ぜったいにない。数カ月間見送る。現在12機稼働しているが、年末までには20機稼働させる。第2拠点は重要な役割を果たす」とした。
さらに「就航当初は遅延、欠航と騒がれたが、直近では定時運航率が、5月は93%、6月は91%を達成しているので、これからも90%台維持できる。改善できたのは社員のすばらしい努力」と語った。
就航時、3年以内の黒字化を目指すとしたジェットスター。目標に向けて順調に進んでいると鈴木社長は語る。周航1周年で160万人目を迎え、8月頭には200万人目を迎えられる見込みだ。
特製の巨大ロッピーの前で握手をする鈴木社長(右)と玉塚取締役代表執行役員