ホテル業界OBらで構成するNPOシニアマイスターネットワークは4月25日、立教女子学院短期大学講師の薬師丸正二郎氏=写真=を講師に迎え第43回ジョイントセミナー「ホテル産業と法務知識」を東京・文京区民センターで開いた。
薬師丸氏は、コンプライアンス(法令順守)経営を実践することのメリットとして(1)企業価値、ブランド力を高める(2)資金調達が容易になる(3)よりよい人材確保が可能になる(4)管理コストの軽減と迅速な意思決定—を挙げた。
コンプライアンス経営を実践しないことによるデメリットでは(1)市場によるボイコット(2)行政処分や罰則(3)株主代表訴訟(4)社員による不正行為(5)訴訟によるリスク(6)外部者による告発—を指摘。
その上で、コンプライアンス体制の周知、徹底について、「日常的な下地作りが必要であり、常に基本的な企業の方針を明確に示すことが大事」と解説。「ある程度長い期間を覚悟し、問題対応の積み重ね、教育を経て、初めて従業員もその指示を正しく理解できるようになる」と述べた。