グッドデザイン賞、旅館・ホテル・リゾート施設から19軒


施設の新たな価値評価

 日本デザイン振興会(東京都港区)はこのほど、2019年度グッドデザイン賞の受賞結果を発表した。旅館・ホテル、リゾート施設からは19件が受賞(観光経済新聞社調べ)。宿泊だけでなく、複合施設との融合によるサービスや、書店機能を備えた環境、リアルな体験を伴うなど、新たな価値を提供する施設が数多く受賞した。

 「グッドデザイン・ベスト100」には「MUJI HOTEL GINZA」(東京都中央区)、「箱根本箱」(神奈川県箱根町)、「アートビオトープ那須『水庭』」(栃木県那須町)の3施設が選出された。

 MUJI HOTEL GINZAは、併設された「MUJI Diner」とともに、良品計画の「無印良品」ブランドの世界旗艦店「無印良品 銀座」として今年4月4日に開業。「食」に関する商品、サービスを拡大し、Dinerには旬な野菜や果物は、常時30~50品目がそろう。ホテルは、アンチゴージャス、アンチチープをコンセプトにデザインされている。MUJIの世界観や価値観をシンプルかつ格調高く表現したことなどが評価された。

 箱根本箱は、18年8月に開業。自遊人と日本出版販売の協業プロジェクトとして15年にスタートし、「多様な知と出会う」場所の象徴だった「駅前本屋」を持続可能なビジネスモデルに転換し、再構築した。20時間の滞在時間の中で、多様な知と偶発的である環境、仕組みを新たに創出した。現在は、宿泊客の7割が本を購入。会員制度を導入し、施設内で他のサービスも展開している。ホテルと本棚を組み合わせ、多様な価値観への行動欲求のスイッチが入る滞在体験を創出していることが評価された。

 アートビオトープ那須「水庭」は、緻密な計算によって配置された318本の木々と大小160のビオトープ(池)が配され、五感を研ぎ澄まして人間と自然の関わりを感じる特別なメディケーション空間として18年6月に誕生。訪れた人に水庭を案内する水庭見学ツアーなども行われている。見たこともない風景なのに自然に見える庭が、極めて日本らしいデザインであることが評価された。

 グッドデザイン賞は1957年に創設され、デザインによって人の暮らしや社会をより良くしていくための活動として、毎年開催されている。今年は過去最多となる1420件が受賞した。

MUJI  HOTEL GINZA

箱根本棚

 
新聞ご購読のお申し込み

注目のコンテンツ

第38回「にっぽんの温泉100選」発表!(2024年12月16日号発表)

  • 1位草津、2位道後、3位下呂

2024年度「5つ星の宿」発表!(2024年12月16日号発表)

  • 最新の「人気温泉旅館ホテル250選」「5つ星の宿」「5つ星の宿プラチナ」は?

第37回にっぽんの温泉100選「投票理由別ランキング ベスト100」(2024年1月1日号発表)

  • 「雰囲気」「見所・レジャー&体験」「泉質」「郷土料理・ご当地グルメ」の各カテゴリ別ランキング・ベスト100を発表!

2023 年度人気温泉旅館ホテル250選「投票理由別ランキング ベスト100」(2024年1月22日号発表)

  • 「料理」「接客」「温泉・浴場」「施設」「雰囲気」のベスト100軒