エアビーアンドビーは、オーバーツーリズムに関するトークイベントを3日に京都で開催した。
Airbnb(本社:米国カリフォルニア州サンフランシスコ、日本語名:エアビーアンドビー、以下「Airbnb」)は4月3日、京都市民による「新しい観光を考える会」と地域課題であるオーバーツーリズムについて公開トークイベントを開催しました。
観光客の急増に伴い住民生活や自然環境などに悪影響が生じるオーバーツーリズム。2018年には観光客数5,362万人、外国人宿泊客数年間350万人を超える京都でも同様の課題が指摘されています。京都市も「とっておきの京都」プロジェクトなど、時間、季節、場所の分散化を進める中、今回のイベントでは京都の市民と、世界で多くの事例に直面してきたAirbnbが、現在の京都、これからの京都について意見を出し合いました。
イベントでは、路地長屋「あじき路地」の大家、安食弘子(あじき ひろこ)さんが市民の視点から「六波羅、東山地域は、昔に比べてとても多くの観光の方がいらっしゃるようになりました。京都には違う場所にも魅力があり、例えば、皆さんが訪れる蓮華王院三十三間堂のお向かいには、法住寺さんというお寺さんがあります。後白河天皇がご復興され、ご本尊が不動明王で身代わりさんと呼ばれ、地元ではお不動さんが様々な災厄から身代わりとなってお守りくださると伝わっています。ぜひそういったところへも訪れてもらいたい」と地元の変化と知られざる魅力について話されました。また、江戸時代から続くツマミ細工の体験を提供している「おはりばこ」店主、北井秀昌(きたい ひでまさ)さんがホストの視点から「ものづくり体験には飛び入りで参加される方が増えてきました。外国の方はお一人でもアクティブにいらっしゃる的好奇心が強い方が多い気がします。工房に入れるということ、雑多な作業場をご覧になってリアルを感じられることにご好評をいただいています。」とお話しされました。
京都市内のオーバーツーリズム対策に長年取り組んできた毎日放送京都プロジェクト室、大西亮(おおにし りょう)プロデューサーは「『旅』は、”場所”に対する憧れから始まり、そこで”消費”したり”購入”することを楽しみ、次に”コト・体験”が目的となり、最後にその土地にいる人に”会いに行く”というように変化していくと思います。例えば地元の人からお店や見所を紹介されると、それは地元の人のつながりなので、そこで紹介された”お店の人”に会いに行く、ということになります。これはお金で買えない、とても嬉しい体験です。地元の人を介して、有名観光地だけではない”その場所”につながっていくことになりますね。」と、これからの京都観光に必要なことについて意見を述べました。これを受け、Airbnb Japan株式会社執行役員、長田英知(ながた ひでとも)は「京都はAirbnbの中でも非常に人気の観光地です。一定の観光名所に観光客が集中せず分散していくことが大事だと思っています。
どこかへ足を延ばすようなきっかけとなるのは、地元の方との交流・知識なのだと思います。持続可能な観光にAirbnbがどう貢献できるか、地元の方に教えていただきながら、考えを深めていきたいと思います。ホストとゲスト、お互いにとって気持ちの良い観光が実現できると良いと思います。」と話しました。完成が発表された「新しい観光を考える会」と「リーフ・パブリケーションズ」の協力制作によるフリーマガジン「IN-SIGHTSEEING」は、イベントの登壇者を含めた京都市民がすすめる、京都の日常にスポットを当てた、新しい旅の提案を紹介しています。
<フリーマガジン「IN-SIGHTSEEING」>
■配布期間:4月3日(水)~通年(なくなり次第終了)
■発行部数:5000部
■発行元:株式会社リーフ・パブリケーションズ
■体裁:B5 12P 中綴じ 両面カラー
■設置・配布場所:京都市内約50ヵ所(予定)
■内容:京都の日常の暮らしに潜む、観光スポットとはまた異なる京都の魅力を紹介し、オーバーツーリズムの解消に寄与することを企図したリーフレット