はとバスは2012年度(7月1日〜13年6月30日)の東京観光輸送人員が、前年度比30.4%増の91万4千人だったと発表した。年間利用者数が90万人を超えたのは1992年以来20年ぶり。昨年5月開業の東京スカイツリー展望台入場付きツアーは現在も乗車率90%を超え、好調を後押ししている。
分野別に前年度比を見ると、東京観光昼コースは24.0%増の71万7141人、東京観光夜コースは88.2%増の13万8666人、団体貸し切り増発便は38.5%減の8759人、英語.中国語コースは41.7%増の4万9438人だった。
はとバスは、利用者増加の要因について、東京スカイツリーをはじめ、東京ゲートブリッジ、渋谷ヒカリエ、ダイバーシティ東京など大型施設の開業が相次いだことを挙げる。13年も東京ディズニーランド開園30周年や、新装した歌舞伎座のオープンなど、国内旅行として東京への注目が高まっていると分析した。
特に東京スカイツリー展望台入場付きツアーは、開業1年を過ぎても、平均乗車率が90%を超え、当初の予想を大幅に上回った。冬のオフシーズンでも東京スカイツリーコースは他のコースに比べ落ち込みが少なく全体の人員増へ寄与している。東京スカイツリー展望台入場付きツアーの年間利用者は全17コース、26万3925人で、全体の28.8%を占めた。
また、東京観光コースの出発地である東京駅丸の内駅舎が昨年10月に復元オープンし、3月には乗り場の向かいに大型商業施設のKITTEが開業。東京駅付近全体が一つの観光場所として全国各地から観光客を集め、その足で同社窓口を訪れ、直前予約や当日乗車を利用するケースが増加した。オープンバスで短時間運行するツアーは全4コースあり、11万5371人が利用した。
東日本大震災以降落ち込んでいた訪日外国人向けのツアーは徐々に復調し、4月に円安傾向になったのをきっかけに、6月には初めて震災前の月間利用者数を上回った。年間を通した利用人員は、4万9438人だが、震災前09年度の輸送人員6万1904人と比較すると20.2%減で、まだ大幅に少ない状態。