観光経済新聞社は9月28日、主催する第29回「にっぽんの温泉100選」(観光庁と観光関連8団体後援、トラベルジャーナル社協賛)の中間集計をまとめ、発表した。それによると、草津温泉(群馬県)がトップの座を確保、13年連続1位に王手をかけた。以下、由布院(大分県)、下呂(岐阜県)、別府八湯(大分県)、黒川(熊本県)と続く。投票は10月末で締め切られ、最終順位は12月初旬に開かれる予定の100選実行委員会の審査で決まる。
大手、中堅旅行業者やネットエージェントなどからの投票は7月から始まった。中間発表は事務局(本社)に届いた8574枚の投票はがきを集計した。
第28回中間集計では草津と由布院の差はわずかだったが、今回は草津が満遍なく票を集め、やや差がついている。このまま差を広げていくのか、それとも2位以下が追い上げるのか、今後の展開が注目される。
草津は温泉の魅力を生かすまちづくりに積極的に取り組んでおり、昨年夏には棚田風の広場「湯路広場」、そして今年春には「熱乃湯」と「西の河原露天風呂」を相次いでリニューアルオープンした。こうした一連の取り組みを旅行会社も高く評価、送客がしやすいとして票を集めた。
由布院の景観を重視したまち並みは旅情豊かで、相変わらず女性の人気が高い。また、下呂も日本3名泉の一つとして根強いファンを持っており、いずれもブランド力は健在だ。ベスト10を見ると、黒川、指宿(鹿児島県)、高山(岐阜県)が順位を上げる一方、登別(北海道)や有馬(兵庫県)などはダウンしており、後半の巻き返しに期待がかかる。
噴火の影響が気になるところだが、神奈川県の箱根湯本や強羅、蔵王(山形県)、指宿、阿蘇温泉郷(熊本県)などは100選に入った。また、復興途上にある東日本大震災の被災温泉地だが、福島県の温泉地なども数カ所ランクイン。噴火や震災に対する旅行業者の応援姿勢が票に表れているようだ。
中間段階で新たに100選にランクインしたのは11温泉地。77位の杖立(熊本県)は独特の雰囲気を持った温泉集落の景観が人気だ。
第27回から観光庁が後援している。観光関連8団体は日本旅館協会、全国旅館ホテル生活衛生同業組合連合会、日本旅行業協会、全国旅行業協会、日本観光振興協会、日本政府観光局、日本温泉協会、公益財団法人日本交通公社。最終結果は12月19日付紙面で掲載する。