【逆境をチャンスにー旅館の再生プラン384】やる気にさせる企画アイデア集2 青木康弘


 前回に引き続き、マンネリになりがちな組織風土から脱却し、スタッフのやる気を高める企画アイデアを紹介しよう。旅館・ホテルは定型的な業務が多いため、どうしてもスタッフがマンネリ感を感じがちだ。職場の活性化を図る施策展開の参考にしてほしい。

 4、スタッフ全員で料理を作る研修企画

 スタッフ全員をチームに分けて旅館・ホテルで提供するようなコース料理を作ってみよう。スタッフが総勢40人であれば、1チーム8人で料理5品程度を作るのが目安となる。チームが編成できたら、チームごとの担当料理を抽選で決めよう。前菜、お造り、煮物、焼き物、揚げ物、蒸し物、ご飯、汁物、デザートといった大まかなジャンルでよいだろう。

 担当ジャンルが決まったら、チームごとにレシピを決めて買い出しにいく。調理は板前中心にならないよう留意しよう。慣れていなくても構わないので、間接部門(予約、清掃、車両、内務など)のスタッフも積極的に料理づくりに関われるよう工夫したい。

 グループで限られた時間内に料理を作ることは、企画力や発想力、部門調整力、時間管理力を高めるのに役立つ。また、座学による研修と異なり、和気あいあいと料理をしながら話が弾むはずだ。職場のマンネリ化の解消にもつながることが期待される。

 ノンアルコール飲料もオリジナルのものを作ってみることをお勧めする。飲料売り上げが減少傾向にある旅館・ホテルは全国的に見て多いが、ノンアルコール飲料を積極的に販売しようという発想の転換ができているところは少ない。スタッフが自らオリジナルドリンクを作ることによって、メニューの魅力やお勧めのセリフを考える良い機会になる。

 料理は人数分作り、全員で食べることになる。アンケートによる投票で順位づけをしてもよいが、なくても十分有意義な場になる。あえて優劣をつけなくてもよい。

 この研修企画の所要時間は半日程度かかるため、休館日にやることをお勧めする。手間はかかるが座学での研修以上の成果を得ることができるだろう。

(山田ビジネスコンサルティング事業企画部部長)

 
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