【逆境をチャンスにー旅館の再生プラン 612】初めてでも分かる補助金獲得法6 青木康弘


青木氏

 前回に引き続き、補助金申請に慣れていない施設向けに、効果的な獲得方法を紹介したい。これまで申請自体したことがない施設であっても、コツさえつかめば申請は難しいものではない。客室等のリニューアルを行い、業績アップを目指す施設はぜひ挑戦してほしい。

 持続化補助金で認められる経費は、機械装置費、広報費、ウェブサイト関連費、展示会出店費、旅費、開発費、資料購入費、雑役務費、借料、設備処分費以外に次の使途も認められる。申請書の作成は簡単なのでぜひチャレンジしてほしい。

 (11)委託・外注費=補助事業の遂行に必要な業務の一部を第三者に委託・外注するために支払われる経費が対象となる。自社で実行可能な業務は対象外となるので注意したい。例えば、自社で現在行っている事業(宿泊や飲食、小売りに関するものなど)で定款に記載されている業務は対象外となる。

 補助対象となる主な使途は、コンサルティング報酬やデザイン、設計、工事に関する外注費が想定される。完了報告までに成果物が分かるものを準備しておこう。例えば、調査報告書やコンサルティング報告書、デザイン企画書、イメージパース、施工図や竣工写真といったものを準備しておくと良い。

 設計・工事の経費例として、店舗改装やバリアフリー工事、厨房設備の改造、生産性向上を目的とした工事、キッチンカーの設備・内装工事などが挙げられる。改装を目的とするならば、事業再構築補助金やバリアフリー補助金の活用をおすすめするが、少額なものであれば持続化補助金を活用して店舗改装をしても良いだろう。

 ただし、前述の補助金と異なり、販路拡大や業務効率化に結びつかない工事は補助金の対象外になることに注意したい。

 「地域一体となった観光地の再生・観光サービスの高付加価値化事業」の申請に参考となる資料作成例(テンプレート)を本紙読者限定で無料提供している。必要な方は問い合わせてほしい(info@alfa-consulting.co.jp)。

 (アルファコンサルティング代表取締役)

 
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