前回に引き続き、業務マニュアルを上手に作成するための手順を紹介しよう。作成するにあたって重要となるポイントだけでなく、運用・定着化のコツも紹介したい。
6、服装と身だしなみ
服装や身だしなみへの気の使い方は個人差が大きいため、業務マニュアルで細かく明文化しておいた方が良いだろう。旅館・ホテルのコンセプトにふさわしく、清潔感があり、働きやすく、衛生的で、お客さまに好感を与えるものになるように決めていこう。
マニュアルで言及した方が良い項目は、頭髪、ユニホーム、靴、靴下(ストッキング)、化粧、爪、アクセサリー、眼鏡、腕時計、マスクである。
頭髪は男女別に詳しく言及しよう。頭髪の色は、日本ヘアカラー協会が定めるスケールを基準にすると良い。一般的な許容範囲はレベル6~8以下である。男性は、前髪やもみあげ、すその長さをそれぞれ決めて、整髪料をつけるよう定めると良い。
女性は、ロングヘア、ショートヘアに分けて、髪のまとめ方、使用を認めるアクセサリーのタイプを定めると良い。ルールに沿ったものか判断しやすくするために、写真をいくつか掲載すると良いだろう。
ユニホームは会社で支給するものと個人で準備するものを箇条書きで明示しよう。スーツや二部式着物、白衣を定期的にクリーニングに出し、破れやスレ、ほころびがない清潔なものを着用することを定めると良い。
見落としがちなのが、シャツやブラウスである。ボタンは一番上まで留めること、袖ボタンを留めること、襟袖の崩れや汚れがないようクリーニングすることを定めておくと良い。
会社支給のジャケットが清潔感あっても、中に着用している私物のシャツがシワだらけでは、お客さまに悪い印象を与えてしまう。ネクタイもクリーニングに出さず、不潔なものをつけているスタッフがいるケースがあるのでマニュアルでルールを明示しておこう。
その他ジャケットやズボンのボタンに余計なものを入れないこと、筆記用具をお客さまから見えるポケットに入れないこと、名札は所定位置にまっすぐつけることも記述しておきたい。
(アルファコンサルティング代表取締役)