前回に引き続き、業務マニュアルを上手に作成するための手順を紹介しよう。作成するにあたって重要となるポイントだけでなく、運用・定着化のコツも紹介したい。
5、職場の規律・マナー(11月10日号続き)
休憩の取り方は、働き方改革法施行により運用が厳格化される可能性があるので明文化しておいた方が良いだろう。勤務時間が6時間を超える場合は45分、8時間を超える場合は60分の休憩を取得することが法令で義務付けられている。休憩時間に不意の電話や来客対応することがないようマニュアルに記述しておこう。
休憩室の使い方は、更衣室と同様にスタッフの意識やモラルがにじみ出るところである。休憩室が汚い、雑然としている、禁煙なのに喫煙しているスタッフがいるなどの問題があると、無気力や不正の温床になっている可能性がある。使用後の清掃など細かくルールを定めた方が良いだろう。
離席・外出する時は、行き先や所要時間を上司に伝えたり、ホワイトボードに記入したりするなどのルールを定めてマニュアルに記述した方が良い。連絡がつかないと、電話の応対や問い合わせ時に余計な手間がかかり生産性が低下するからだ。
スマートフォン使用時の留意点は、会社によって運用を統一化した方が良いだろう。全面的に持ち込み禁止のところもあれば、会議中でも着信電話を取って通話するところもある。運用ルールは経営者の考え方や職場の実情により異なるので、現実に即したものにすると良いだろう。
退勤時の留意点は、タイムカードを押すタイミングを守ること、次回の勤務スケジュールを確認すること、スタッフ通用口を通ること、退社時にあいさつすること、館内でお客さまやスタッフ、取引先に会った時に会釈することなどである。
これまで取り上げてきた事項以外にも、皆さまの会社でルールとして定着させたいことを整理してマニュアルに盛り込むと良いだろう。例えば、省エネや防火・防災、衛生管理、健康管理、整理整頓、業務ミス、クレームに関することなどである。
(アルファコンサルティング代表取締役)