【逆境をチャンスにー旅館の再生プラン 419】成果が上がるベスト施策2 青木康弘


 前回に引き続き、売り上げや利益、顧客満足度アップに大きな効果が得られたベスト施策を紹介しよう。

 2、販売促進カレンダーを作る

 皆さまの旅館・ホテルの販促活動は十分な成果が上がっているだろうか。販売促進の巧拙を決めるのは優秀な営業マンが在籍しているかどうかではない。各部門が協力して段取りよく準備できる仕組みがあるかがポイントとなる。販売促進計画を作成しておけば効率良く進めることができるだろう。販売促進計画を作るには、まず、年間を52週に分けて、地域の行事・催事と集客力(観光入込客数)と自館の宿泊客数・日帰客数を比較してみることから始めると良い。

 (1)地域行事に比例して自館が高稼働の週(2)地域行事がある割に自館が低稼働の週(3)地域行事がなくても自館が高稼働の週(4)地域行事がなく自館も低稼働の週―に区分することができる。販売促進計画の立案によって、(2)と(4)の稼働率の底上げを図りたい。

 シーズンやイベント開始が迫っていても準備が間に合わず、宣伝告知やプラン販売が後手後手になってしまうという悩みを抱えているのであれば、各部門の役割を明確化し、1週間単位の締め切りを設定すると良いだろう。

 例えば、夏休みのプラン販売を5月中旬から開始すると想定してみよう。準備は4月末までに終わらせておくのが理想だ。そこから逆算して、チラシ、ホームページでのリリース開始、写真撮影、料理試作、予算案作成、参画エージェント決定、イベント内容決定、料金プラン作成、調達資材の決定、アイデア立案の締め切りを決めていくと良いだろう。

 より効果的に実践したいのであれば、プロジェクトマネジメントの手法を学ぶと良い。プロジェクトマネジメントとは、プロジェクトを期限や予算制約の中で予定通りに成功させるための、計画立案や実行管理の手法のことである。米国の非営利団体PMIからPMBOKという知識体系も公表されている。

 インターネットでキーワード検索するだけでも有益な情報が多数得られる。体系的な知識を身に付けたければ、書籍を求めると良いだろう。余力があれば、内容を噛み砕いた上で、社内担当者向けに研修を行うことをお勧めする。

(アルファコンサルティング代表取締役)

 
新聞ご購読のお申し込み

注目のコンテンツ

第38回「にっぽんの温泉100選」発表!(2024年12月16日号発表)

  • 1位草津、2位道後、3位下呂

2024年度「5つ星の宿」発表!(2024年12月16日号発表)

  • 最新の「人気温泉旅館ホテル250選」「5つ星の宿」「5つ星の宿プラチナ」は?

第37回にっぽんの温泉100選「投票理由別ランキング ベスト100」(2024年1月1日号発表)

  • 「雰囲気」「見所・レジャー&体験」「泉質」「郷土料理・ご当地グルメ」の各カテゴリ別ランキング・ベスト100を発表!

2023 年度人気温泉旅館ホテル250選「投票理由別ランキング ベスト100」(2024年1月22日号発表)

  • 「料理」「接客」「温泉・浴場」「施設」「雰囲気」のベスト100軒