あんまり大っぴらにする話でもないが、明日の大腸内視鏡検査に備え、今、検査食をいただいている。こんなモノがあるなんて知らなかったが、何それ?という方のためにご説明すると、検査前にお腹の中をすっかりキレイにするための低残渣食(ていざんさしょく)である。
朝昼夕の三食セットに間食と飲み物まで付いている。朝食は和食がゆとみそ汁、昼食は中華がゆにすまし汁、検査に最も近い夕食はコーンポタージュスープのみ。かゆとポタージュはレトルトパウチで、汁は粉末。間食はココア味のソフトクッキー、飲み物はオレンジとアップルの粉末飲料。
説明書を読むと、1日の塩分量を7.8グラムに抑えたり、おかゆには国産コシヒカリを100%使用するなど、それなりにこだわっているようだ。また、コーンポタージュには昆布のぬめりから抽出した「低分子化アルギン酸Na(ソルギン)」を配合してあるという。この成分は、余分なコレステロールに吸着して体外へ排出する効果がある上、水分を蓄え腸内の水分量を増やして腸壁を刺激、腸の働きを活発化するそうだ。
さてそのお味は?というと…うぅ~ん、当たり前だが、とてもおいしいとは言えない。低残渣、低脂肪にすれば良いなら、味付けはもう少ししっかりしていても良さそうなものだが、味が濃いと食欲増進につながってしまうので、塩分を抑えているのだろう。
おかゆはいずれも300グラムとタップリ量があるし、コレ以上食べなきゃいいワケだと、筆者はこっそりお塩を振ってみた。ほんの少しだが、口福な気がした。食べなきゃイイんだけど、腹が減っては戦ができぬ。
この状況、ダイエットに似ている。食べたい物を食べてはいけないのだ。職業柄、試食や試飲も仕事のうち…って、逆に言えば、超食いしん坊だからこの仕事をしているのだ。その上呑兵衛(のんべえ)ときている。おいしいものを食べ、おいしいお酒を呑(の)み、着実に横幅が広がっているから、ダイエットに興味がないといえばウソになる。だが、ダイエット食品やサプリメントは、何か体に悪そうなものが入っているかも?と怖くてダメ。運動もキライ。だから自然とダイエットの方法が絞られてしまう。
以前、糖質コントロールで痩せたことがあった。だが、大好きなごはんやパン、パスタが食べられないのはつらいし、仕事でごはんの試食が必要だから、続けるのはムリ。「糖質を取らないと、脳が働かないのよね」なんて言い訳しつつ諦めた経緯がある。酢玉ねぎや酢キャベツなんてのも試してみたものの、続かない。結局コレといって決め手になる方法が見つからないまま、今日に至っている。
検査が憂鬱(ゆううつ)で仕方ない。でも聞いた話では、検査前に使う下剤は、故ダイアナ妃がダイエット目的で使用されていたとか。来週シンポジウムで登壇予定だから、痩せられるちょうど良いチャンス!って、そんなことより、ホントは健康が一番。検査結果が良好だといいなぁ~、と祈る筆者である。
※宿泊料飲施設ジャーナリスト。数多くの取材経験を生かし、旅館・ホテル、レストランのプロデュースやメニュー開発、ホスピタリティ研修なども手掛ける。